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293.敵騎馬隊襲来!2



 ところ戻って奇襲を受けている第一海兵大隊の仮設防衛陣地。


 まだ何のことか理解できずに混乱し正常な判断ができない兵達は、奇襲が成功しさらに勢いづいた帝国騎兵隊によってさらに狩られていく。


 その中でも勇猛果敢に突撃してくる騎馬に対して、銃剣や小銃をフルオート射撃して抵抗する隊員もいたが、そのほとんどが抵抗むなしく、命を落としていた。


 流石に抵抗できないと思った海兵隊員達は個人の判断でキャンプ地を放棄し、隣接する海兵武装偵察連隊の防御陣地がある森へと助けを求めるため無我夢中で走った。



「こっちだ!早くこっちへ来い!」

「早く!」


 森の方へと走っていくと、森の方からこちらに向けて必死に叫ぶ声が聞こえて来た。

 どうやら、こちらの状況を察してくれた武装偵察連隊第一中隊の隊員たちがこちらに逃げてくるように促してくれているようだ。


 何とか防御陣地にたどり着いた大隊隊員たちは、銃も持たず着の身着のまま逃げたものが多く、如何に奇襲によって混乱していたかがうかがえる。


 中には何かで切ったのか怪我をしている隊員もいて、すぐに衛生兵によって手当を受けていた。

 そして、ここにたどり着けたのは600名しかいない(大隊定員2000名)。


「これで全員ですか?」

「ああ、他はやられてしまった……クソ!」


 大隊長のベレッタと大隊幹部も危機一髪のところで抜け出してきていたが、連続して受けた敵の攻撃で精神的にも大きなダメージを追ってしまった様子で、皆一様に疲れた表情をしていた。


 これまで数々の戦場を渡って来たベレッタであっても、流石にここまで手酷い損害は初めてであったようで、くやしさや多くの仲間を失った悲しみややるせなさで気が動転していた。

 この奇襲によってさらに二個小隊分の兵がやられてしまっていた。


「お気を確かに、一先ずここは我々にお任せください」

「ああ、すまない……」


 敵の騎馬隊は襲った場所に王国兵がいないと見るや、ものすごい速度でこちらに近づいてきた。

 攻撃する方向に味方がいないと判断した中隊長のエリック大尉はすぐに射撃命令を発する。


「味方はもういない!敵を近づけるな!射撃開始!」


 ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダッダダダッ!


 その命令をもとに一斉に設置してあったM240Gの射撃が開始される。


 発射される弾の5発に1発曳光弾が含まれており、その発するわずかな光によって敵の位置を確認し弾着位置を調節していく。


 ドン!ドンッ!ドン!


 射撃してから数秒後、陣地内に展開している迫撃砲小隊による砲撃が次々に敵騎馬隊周辺に着弾していく。


 そして激しい銃撃と砲撃を受けた帝国騎馬隊は、これまでの勢いがウソだったかのように次々に倒されていき、銃声と砲声が鳴りやんだころには文字通り消え失せていた。


「射撃やめ!砲撃やめ!」


 敵の殲滅を確認した中隊長は射撃を中止させた。


「ボディカウント!負傷者発見次第すぐに処置にあたれ!」


「「了解!」」


 ボディカウントとは戦死者の確認と戦果の確認という意味で、戦闘後に状況確認と同時に行われる。


「大隊所属隊員も同行しなさい!仲間のところに戻るわよ!」


「「「「了解!」」」」


 敵の奇襲によって一時混乱を引き起こしていた大隊隊員たちであったが、今は戦闘が終わり落ち着きを取り戻していた。


 そんな彼らと同様気を持ち直したベレッタは、状況確認の為に動き出した武装偵察連隊第一中隊と共に元居た防衛陣地に引き返すよう命令を下す。


 そして全ての状況が確認されたころには、ようやく太陽が昇っていた。




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