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274.エレオノーラ

 

 邪魔ものがいなくなったことを確認した俺は、彼女を買い取る為、下卑た目をした小太りの奴隷商人のところへ向かい用意していたお金を手渡した。


「……ったく、さてそこのボロ雑巾みたいな頭巾かぶってる兄ちゃん、お前さんがこれを買うほどの金を持ってそうに見えねぇんだが?」

「そんなことはどうでもいいだろ?金はある、彼女をよこせ」


 俺はその奴隷商に上から目線な言い方に加え、身なりのことを言われ少しカチンときていた。

 しかし、ここで気持ちを表に出してはいけないと思い、俺は怒りを抑えながら懐からお金の入った麻袋をすぐに渡す。


「お、お!兄ちゃんわかってるじゃないか!これなら問題ない、どれどれ、ひぃふうみぃ……」


 その奴隷商人は俺からお金を受け取ると麻袋を乱暴に開け中にはいっているお金の数を数える。


「まいど!ほれ、これがカギだ」


 受け取ったお金が一文たりともずれていない事を確認した奴隷商人は、懐から鍵を取り出し俺に見せる。


「兄ちゃん今日はいい買い物をしたな!こいつは処女だぞ!今晩は楽しみだな!がははは!これから宿に行くのか?」


 どうやら高額で取引されるエルフという事もあって、誰からも”乱暴”をされていなかったようだ。


「いや、俺は家に帰る、そんなことはいいから鍵をよこせ」

「まぁまぁ、そんな焦るなって、お金をもらったんだから、ちゃんと渡してやるから……、ほれ」

「ああ」

「そういえば、兄ちゃんは奴隷を買ったことあるか?」

「いや、ないが?」


「そうか。じゃあ伝えとくが、彼女には隷属魔法がかかってる、この隷属魔法がかけられた奴はその魔法の支配権を持つ人間から言われたことを絶対に守らなければならず且つその人間の近くから離れることを許されない」


「離れたり言うことを聞かなかったらどうなるんだ?」


「全身に電撃のようなものが走って身動きが取れなくなる、言うことを聞かなかったときは数分間それが続くだけだが、もしその支配権を持った人間から遠く離れてしまった場合、死に至る」


 これは主の元から奴隷が逃亡をしないようにする為だろう。


「わかった」


「なら、これからその魔法で俺から兄ちゃんへ支配権を移すからちょっと手を貸しな」


 俺はその奴隷商の言う通り手を出し、隷属魔法による支配権を移してもらうことに。

 その奴隷商が俺の手を取ると、その手をひねられ手の甲に奴隷商は手を当て何やら詠唱を始め手には黒色の魔法陣が浮かび上がっていた。


 (ん?この詠唱?どこかで聞いたことがあるような……、それとこの手に浮かんだ魔法陣見たことあるような……)


 そんなことを思っている間に手に浮かんでいた魔法陣は消え、俺の手の甲には円状に術式のようなものが書かれその中心には三本の爪のような模様がついている。


「よし、これで兄ちゃんに支配権が移ったぞ、後はあの女をもっていって楽しむことだな!」


 そんなことを言う奴隷商に少し苛立ちながら、鍵を受け取ると早速彼女を開放してあげた。


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