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262.手荒い歓迎2


 そんな、第721戦闘攻撃ヘリ飛行隊(コードネーム:レックス)は飛び立った後、砲撃位置の特定を急いだ。


「キアサージHQ、こちらレックス1、砲撃地点を特定、比較的大型な砲……、恐らく20口径ほどのものが10基確認!攻撃許可求む!」

「レックス1、キアサージHQ、攻撃を許可する」

「了解!全機オープンファイア!」


 攻撃許可をもらった第721戦闘攻撃ヘリ飛行隊は、嬉々として各種兵装を文字通りぶっ放していた。

 その結果は、やられた敵の状況は悲惨なもので、第721戦闘攻撃ヘリ飛行隊のハイドラロケット弾とヘルファイアミサイルの直撃を受けた敵の砲台は、大爆発したのち跡形もなく消え去っていた。


 そのあと、第721戦闘攻撃ヘリ飛行隊は残存している敵の捜索を行ったが、その周辺に怪しいものは見つからなかった。

 こうしてあっけなく謎の敵の襲撃は鎮静化した。



 メリアはこれを受け、船酔いから復活したばかりの千代姫と琴姫を俺とメリアが使っている司令官公室に呼び出していた。


「なぜこちらに向けて発砲してきたの?」

 メリアは努めて低い声音で二人にこの襲撃のことについて問いただしていた。


「……、我もなぜなのか全くわからないのだ、むしろこちらも撃たれて怒っているぐらいだ」


 メリアに怖い顔で問い詰められた琴音自身もむしろこちらが誰の仕業なのか本当に分かっていない様子で、むしろ困った表情だった。

 隣に座っている千代姫も同じく何故なのかわからない様子で、こちらの問いに対してはわからないという風にただ首を横に振るだけだった。


「ただ、恐らく反体制派の仕業かも知れないと我は踏んでいる」

「というのは?」


「というのは、佐川家という遠城家に昔から敵対してきた家があって、その家は国内の遠城家体制に反対する者の元締めのようなもので今回も彼らが、遠城家の決めたコンダート王国との会合を邪魔しようとしたのではないかということだ」


「なぜ、それを知っていてさっきのことを言ったの?」

「いや、これには事情があるんです!」


 すると今まで沈黙を保っていた千代姫が琴音の不利な状況を感じて、声を上げた。


「そのわけとは何ですか?」


 相変わらず怖い表情のままのメリアは、琴姫から千代姫にロックオンしていた。


「佐川家のいつものやり口として、彼らは自らの配下を使って妨害や攻撃はしてこないで、中立の立場やどちらかといえばこちらの陣営よりの家や勢力をいろいろな手を使い誘導してくるのです。なので正確にはどこの連中が仕掛けて来たのかまではわからないんです。さらに言うと、もしかしたら他の反対派勢力の可能性も否定できないので……」


 さらに聞くと、どうやらその情報を得るために佐川家の勢力地周辺に間者(情報収集要員)を放っているようで、千代姫曰く出港前にその間者から聞いた時はこの一帯には怪しい人はいなかったという。


「……、とりあえず事情はわかったわ、二人の態度から見て本当にこのことが起きることを事前に知らなかったことだけは信じるわ。ただ、それだけでは情報が足らなさすぎるわね……、この後また同じことが起きないように部隊を潜入させた方がいいかしら?」


「メリアの言う通りだな、この後すぐにネイビーベレーチーム4を投入して探らせてみるのもありだ、必要であればKフォース・リーコンも投入してもいい……、ただ、さすがに彼らが活動していることがその彼らにばれたらかえって刺激してしまうしれない」


「じゃあ、どうするの?」


「ここは現状彼女らが言う間者がもたらす情報を待とう、今こちらの手の内を相手に見せるのは得策ではないからな」


「そうね、わかった、ワタがそういうならいいわ……、二人とも急に呼び出してごめんなさいね、戻っていいわよ」


「こら、メリア落ち着けって……」


 一先ず彼女らにいくら問いただしたところで、得るものは何もないと判断したメリアと俺はその佐川家の勢力圏に潜伏しているといわれる彼女らの情報員の情報を待つことにした。


 彼女らが悪くないと分かっていてもメリアは“手荒い歓迎”に怒り心頭のようで、今まで丁重に扱ってきたはずの彼女らに対して俺がなだめても高圧的で冷たい反応のままであった。


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