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256.将軍救出作戦2



 それからしばらくして、それぞれが担当している船に到達した隊員たちは、突入用に用意していたC4を長い棒の先につけたものを作戦通り爆破させていた。

 その大きくあいた穴に先端に引っ掛ける爪がついた梯子をかけ、手りゅう弾とフラッシュバンを投入し、ひるんだ隙に船の中になだれ込んでいった。


 数分後には制圧され、大和艦橋にも報告が入っていた。


「司令、7隻すべての船を無力したと報告が入りました、こちら側に負傷者無し、捕虜が多いので至急応援を求むと来ています!」

「そう!それはよかった!……、肝心の出雲国海軍の将軍はどうなったの?」

「そのことに関する報告はまだ入ってきていません!」


 出雲国海軍の将軍は今も、他の隊員たちによって捜索しているがまだ発見には至っていなかった。


「何としても探し出さないと……、もう危険性がかなり低いから、直接接舷して海兵隊を送り込ませるようにワスプに伝えて」

「了解!」




 すでに敵の船は無力化させていたので、エミリアはワスプを直接接舷させ海兵隊隊員を直接乗り込ませ応援に駆け付けさせた。


 その後海兵隊と合同で帝国海軍の船の大捜索が行われたが、見つからなかった。


 しかし、その捜索範囲を出雲国側の船に広げたところ、チーム4の隊員たちによって出雲国海軍側の船の上で琴姫は発見された。

 しかし、そこにはアマリスとその部下たちが武装し待ち構えていた。


「もう貴殿らは完全に包囲されている!大人しく降伏してください!」


 その場にたどり着いた、チーム4の隊員たちは銃を向けたまま彼らに最後通牒を突き付けていた。


「フン!誰が貴様ら王国に降伏するというのだ!俺は最後まで貴様らに屈しないからな!」


 アマリスが威勢よく言い放つと、それに合わせるようにして部下たちも「そうだ、そうだ」と一歩も引かない姿勢を見せていた。


「これが最後だ!降伏しろ!さもないと撃つ!」


 チーム4の隊員はできる限り提督や幹部たちを捕縛するようにと命令されているので、最後まで降伏勧告をやめなかった。


「うるさい!こいつがどうなってもいいのか!」


 すると、アマリスは縛られた琴姫の喉元にサーベルの刃を突き立てていた。

 その刃を突き立てられた琴姫は、すでに捕まった時点で死を自ら望んでいたので抵抗するそぶりは見せず、アマリスにされるがままの状態だった。


 それを見たチーム4の隊員たちは一瞬焦ったが、すぐに銃を構えなおし、先頭に立っていた隊員はアマリスの頭部に狙いを定めた。


「やるのか?やるならこいつを殺すからな!やれるもんならッッ……」


 降伏の意思がないのと、人質の命が危ないと判断された瞬間、先頭に立っていた隊員は迷うことなくアマリスの頭部を一発で撃ち抜いていた。

 撃ち抜かれたアマリスは、驚愕の表情を浮かべたまま撃たれた衝撃とともに仰向けに倒れた。


「……、野郎よくも!」


 ダンッ!ダダン!


 アマリスが殺されたのを見た取り巻き達は、血相を変えて隊員たちに持っていた刃物で攻撃してこようとしたが。

 そのそぶりを見せた彼らは、隊員たちによって瞬く間に射殺された。


「状況!」

「クリア」

「クリア」

「オールクリア!……我々コンダート王国海軍です、あなたを助けに来ました、ご同行願いますか?」


 抵抗してくるものがいなくなったことを確認したその場にいたリーダー格の隊員は、力が抜けへたり込んでいる琴姫にそう伝え、当の本人は力なくうなずいていた。

 こうして、彼女は無事チーム4隊員によって救出されたのであった。

 助けられた彼女の顔にはうっすらと一筋の何かの水の後がついていた。




 こうして最後まで抵抗を試みた帝国海軍第七艦隊であったが、提督と幹部たちの射殺と全水兵の武装解除によって完全に無力化され、窮地に立たされていた出雲国海軍は寸でのところで救われたのだった。


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