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253.館浜湾沖海戦3

 

 場所は戻って戦艦大和、艦上。


 エレン代将は攻撃命令後、大和の男性の副長に矢継ぎ早に命令を伝えていた。

 彼女は一刻も早く救援に向かわないと、すでに風前の灯火の出雲国海軍を救うことができないという思いからか、彼女は少し焦り気味だ。

 エレンが艦隊司令代理を務めているため、今は大和副長が艦長代理を務めている。


「まずは周辺をうろついている帝国艦艇をミサイルか主砲による攻撃を加えて、その間に駆逐艦4隻を海に投げ出された水兵の救助に向かわせて、救助するときは差別するなと厳命するように。そして今すぐにワスプから海兵隊一個中隊を帝国第七艦隊の旗艦に強襲をかけさせて!」


「砲撃と救助はすぐに準備させます。おい!聞いたか?合戦準備だ!指揮は砲雷長に一任する、船務長は各艦に伝達!」


 副長はエレンから聞いた命令をすぐさま各部署を掌握する長に流し、自身は艦長業務に専念することに努めていた。


「了解、指揮を預かります、総員合戦準備!」(砲雷長)

「すぐに各艦に命令を伝達します!」(船務長)


 砲雷長の指揮の元動き出した大和の兵たちは、1分も経たないうちに準備を完了させていた。


「合戦準備用意よし!」

「主砲、副砲撃ち方用意」

「主砲、副砲撃ち方用意!」

「砲雷長、いつでも撃てます!」

「良し、撃ち方はじめ!」


 15.5㎜三連装砲の射程にもあったので、主砲と同時に射撃を開始していた。

 敵艦に向けての砲撃が進む中、副長とエレンは一点について少しもめていた。


「エレン代将、やはり砲火の中海兵隊を行かせるのは危険極まります」

「あの中には、重要な人物がいるという話じゃない?その方を何としてでもお救いしないと!」

「代将!いったい今日はどうしたっていうんです?」

「ともかくワスプの艦長につないで!」

「……わかりました。船務長!」


 どうやっても危険な命令を実行させようとするエレンに対して、どうしても止めたかったが上官である以上、命令に従うしかない副長は、苦虫を嚙み潰したような顔で船務長にワスプとの回線をつなぐように命令していた


「はっ!……、つながりました、どうぞ」

「イゼル艦長聞こえていますか?」

「はっ!聞こえております」

「今すぐにワスプに乗っている海兵隊一個中隊を出雲海軍の将軍の救出に向かわせもらえる?」

「代将!それは正気ですか?今行けば降り立つ前に自軍の砲撃にさらされるかもしれませんよ?」

「上官の命令に逆らうつもり?」

「しかし!……、善処します」

「頼みましたよ」


「代将、最後に聞きますが、本当にやるんですね?」

「ええ、決まっているでしょう?」

「はっ!」


 どうやらエレンは何を言われても考えを変えるつもりがないようだ。


 それからしばらくしても、いっこうにヘリを発艦させないワスプにエレン代将は苛立ちと不信感を抱き始めていた。


「ワスプはなんていってるの?」

「ワスプからは何も返答ありません」

「こんな時に何をしているの!」

「報告!」

「今度は何!」


 苛立ちがたまり、少しのことでも癇癪を起すようになってきたエレンは、報告に来た兵に対しても怒鳴っていた。


「代将宛に連合艦隊ヴィアラ司令長官より電文です、今からエミリアを大和へと帰還させる、そののちエレン代将は艦長にすぐさま復帰するようにと来ています。……その続きもあります。追伸、立場をわきまえよと……もきています」

「なん、ですって?」

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