242.出雲国へ2
空母3、戦艦12に加えさらにそこに上陸部隊(海兵一個遠征軍)という陣容を見れば誰もが「戦争でも仕掛けに行くのか?」と思ってしまうような兵力だが、これは前述したとおりだ。
そして、今回大規模な海兵遠征軍が同行することになっている。
この海兵隊は言わずもがな元居た世界の某軍事大国の海兵隊をイメージして創設したもので、装備なども基本的にそれに準じている。
海兵隊の基本情報は以下の通り。
コンダート王国海兵隊
※人事・法務・財務は海軍省が管理
※海兵隊には憲兵や警務隊が存在しない、その代わりに警備関係は各兵科から直接任命
総兵力105万(即応予備5万)
海兵隊総司令官:デクト・レノア 海兵隊大将
個人装備
HK416A6
M45A1
HK417A2 (マークスマン)
M40A5 (狙撃手)
M249para (分隊支援火器)
M240B (機関銃手)
M2HB
カールグスタフM4 (分隊支援火器)
車両
M1A2 SEPV2
M2ブラッドレイ
EFV (水陸両用装甲戦闘車)
AAV7A1
その他車両多数
航空機
MV-22
F-35B
CH-53E
UH-1Y
AH-1Z
その他支援機多数
閑話休題
しばらくその大艦隊を見つめていた俺は、とある異変のようなものが気になっていた。
というのは、俺たちがもうすぐ艦隊に到着することを見越してなのか、すでに外洋に向けて艦隊全体が一斉回頭をはじめていたのだが、その中心にいた4隻だけが回頭も動くこともしていなかったことだ。
「ワタ?どうしたの?」
俺が首をかしげていることが気になったのか、メリアが不思議そうな顔をしていた。
「いやね、艦隊が今一斉に回頭しているのに、その中心の船だけ微動だにしないから、故障でもしたのかと思って」
「ああ、もしかしたらそれ船じゃなくて海堡よ!」
どうやらその動いていない船と思っていたのは、海堡(人工的に造成した島に砲台を設置した軍事洋上要塞のこと)のことだったようだ
この海堡は全部で四つあり、そのすべてに砲台(大和主砲より巨大)と対空ミサイル、対艦・対空レーダー等(イージス艦と同等)が設置されている。
そしてこれを設置するように海軍に提案したのはメリアなのだという。
海堡の詳細は以下の通り。
キーレ港沖要塞概略
海軍所管
長さ200m
幅40m
設置装備
・50口径51センチ三連装砲×4基
・Mk.41 VLS (200セル)
・アスロック
・ESSM
・SM-6
・CIWSBlockB
レーダー
・AWS (WCS・Mk.99 FCS・SPY-6)
これだけの装備を設置していれば艦隊の一部と誤認してもおかしくはないだろう、何せ戦艦に搭載するような三連装砲とレーダーを取り付けた艦橋の形そっくりの建物あるのだからなおさらだ。
この海堡の装備はすべてキーレ海軍基地からリモートコントロールされているので、海堡には警備要員以外いないそうだ。
これを提案した本人からそんな話を聞いているうちに、俺たちが今回乗艦するワスプ級強襲揚陸艦キアサージに着艦していた。
そしてこれからこの大艦隊を伴って海を渡り未知の地出雲国へと向かうのだった。




