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216.ベレカ城

 

 城門前につき、やっと馬車から降りた俺は内心ほっとしていたが、さらなる苦行が俺には待っていた。

 というのは、この城が標高630mの山頂に立っていて(城門は標高30m地点)城には階段で行くしかないため、ここからは馬車から降りて、歩いて山登りをしなくてはならないのだ。


「まさか、登山するほどとは……トホホ」


 さらにワタは、これまでほどんど休みなしで動いているので、慣れている人からすればたかが600mと思うかもしれないが、疲労困憊なワタからすればもはや拷問である。


 そんなワタを脇目に、女性陣はまるでピクニックに来たかのようなテンションでどんどん上っていく。

 ただ、ベルだけは俺の隣に残ってくれていた。


「ワタ様、さぁベルとともに参りましょ?」

「ううぅ、ベル、君はなんていい子なんだ」

「そういってもらえてうれしいです!もうひと踏ん張りです!」


 ベルは俺の右腕を持ち、右後方を自分の体で支えるようにしながら歩かせてくれていた。


(ベルちゃん、マジ天使!)



 それから1時間後、ようやく頂上に到着した。

 下の方を見ると、ベレカの町を一望することができ、遠くにはさっきまでいたベレカ城が小さく見えていた。


「登ったあと上から見る景色は、やっぱりいつ見ても最高だなぁ」

「ええ、ワタ様のおっしゃる通りです、ベルもそう思います!」


 ベルは満面の笑顔を俺に向けてくれていた。


 (やっぱりベルは天使だわ)


「ご主人様、お水飲まれますか?」


 どうやら俺の為にどこからか探してきてくれたのか、木でできた水筒をシルヴィアは渡してくれた。

 丁度俺に水筒を渡してくれた時に、シルヴィアは前屈みの状態だったので二つの大きなふくらみが丸見えだった。


(褐色の……最高です!)


「ご主人様?」

「お、おお、ありがとシルヴィア、他のみんなは?」

「もうすでに皆さんはお城の中に入ってしまわれましたよ?なんでも「あののんびりおばさんに抗議しに行ってくる」とかなんとかいって」

「そっか、俺たちも早速中に入るか」

「「ハイッ」」


 城の入口に着くと、その前にはセレナが待っていてくれていた。


「陛下、お疲れ様でございます、すでにメリア女王陛下が会談を始めてくださっているので、私がそちらまでご案内いたします」

「ありがとう」



 入ってすぐの長い廊下をしばらく歩いたところにある王族専用の食堂に向かった。

 食堂に入ると、そこにはすでにエンペリリア女王3世とメリアがLiSMを見せながら話している最中だった。


「いらっしゃい、お婿さん」

「え?今、なんて」


 俺を見るなり、エンペリリア女王3世は唐突にそういってきた。


「お母さまナイス!」

「駄目です!陛下は私のものです!……ハッ!」


 エレシアはローザに対して軽く反論するつもりだったのだが、余計なことを言ってしまっていた。


「はい、はい、そこまで、ワタはみんなのものだから……でも、正妻は私だからね?異論はないわよね?ね?」


 一瞬エレシアの言葉に一気にこの場が凍り付いたが、メリアのその一言によって何とか収まった。


「何か意見があるのかしら?」


 先ほどのメリアの一言に対して何か不満があるのか、誰かがぼそぼそといっていたが、メリアはその声に委縮してそれ以降聞こえなくなっていた。


「よろしい、では、話の続きをしましょうか」

「メリアちゃん、その前に、せっかくだからお昼ご飯食べない?」

「それもそうですね、じゃあお言葉に甘えさせてもらいますわ」


 一先ず昼食の時間だったので、用意してもらうことにした。

 出てきた食事はパンとシチューと色とりどりの果物を用意してくれ、食後にはスコーンのようなお菓子と紅茶を出してくれた。


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