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202.銃撃戦2

 それから数分後。



 SWATが乗ってくるような何台かの黒い大きな装甲車がサイレンを鳴らしこちらに向かってきた。

 どうやら王立警視庁警備部武装強襲部隊が応援に駆け付けてくれたようだ。 


「サッシャ局長!応援部隊が到着したようです!」

「よし繋げ!」


「こちら、王立警視庁警備部部長のザックスだ、そちらの通信を受けて駆け付けたぞ」

「応援感謝する!私は鉄道警備局長のサッシャだ、早速だが君たちには火力支援をお願いしたい」

「了解した、貴殿の位置を知らせ!」


 サッシャは近くにいた隊員にスモークグレネード(赤)を近くで展開させた。


「了解……我の位置、赤い煙幕」

「視認した!あとは任せろ!」

「頼んだ」


 その通信からしばらくすると、敵の銃撃が弱まってきた。

 それを好機と見たこちらもすかさず反撃に出た。


 こちらが反撃に転じたころにはすでに、武装集団側にもかなりの被害が出ていたようで、最初のような激しい銃撃にさらされることはなかった。

 それからすぐに首謀者と思しき人物一人を残しそれ以外はすべて射殺し制圧が完了した。

 制圧が完了してからすぐに、後続の同じ警備部の応急救護小隊と鉄道警備局鉄道衛生隊が到着し負傷者の手当てを開始し始めていた。

 今回の銃撃戦でこちら側に19名の重軽傷者と1名の死者(搬送後死亡が確認された)を出してしまった。

 亡くなってしまった隊員は全員ボディーアーマーに守られているはずの胸部を撃たれて亡くなっていた。

 原因は、撃たれた弾が.338ラプア・マグナムという適正距離であれば軍用ボディーアーマーさえも貫いてしまうというものだったからだ。

 突発的に起こったこの銃撃戦だったが、工事現場周辺というのもあり民間人が一人もいなかったため、そちらには被害が及ばなかったことが今回の不幸中の幸いといったところだろう。


 ここが事なので周りには、慣れない音が鳴り響き怖いもの見たさで集まって来た野次馬が集まり始めていて、今度は野次馬の対処にミスティア隊や武装警備隊の面々は苦悩することになった。


 そんな野次馬を押しのけるようにして次々と、各省庁から捜査員が終結してきた。

 駆け付けてきたのは、王立警視庁刑事部、王国警察庁刑事部、内務省特別高等警察庁(反王制派・反体制派対応)、陸軍犯罪捜査局たちだ。

 捜査員等が続々と駆け付けてきている中、俺とメリアとテーシャは、また何かが襲ってくるかもしれないのですぐにこの場から離れ、この辺で一番安全であろうアルダート城に避難することにした。





 今回の犯罪経緯についてあとで聞いた話だと、まず襲ってきた犯行グループは20名で、彼らは反国王派の貴族の配下で今の王制に対して激しい怒りを持っていたようだ。

 そして捜査の結果、今回の犯行の際に使われた武器は陸軍でしか出回っていないはずのVP9やHK416が使われていたようで、狙撃手が使っていたのはL115A3というイギリス軍が使用するボルトアクションライフルだった。


 犯行グループのリーダーは逮捕され他はその場で射殺か致命傷を負い搬送先で死亡。

 その後犯行グループのリーダーを尋問した結果、首相に対しても同じ暗殺計画があることが発覚し、この後情報を得てすぐに捜査員が現場に急行しすぐにその場にいた犯行グループを見つけ逮捕し首相の暗殺計画は阻止された。


 気になるVP9とHK416の出所だが、この事件に関わった貴族が陸軍の内通者から不正に横流しし入手したとみられ、さらに彼らに訓練していたのは陸軍の士官クラスの人間だった。

 後日この事件に係わった人物はすぐに逮捕され、裁判にかけられたのち全員死刑に処された。

 主犯格の貴族の罪状は、国家反逆罪及び国家転覆罪、殺人教唆、公務執行妨害等々他にも様々な罪状が加えられていた。



 そしてのちにこの世界で、初の銃撃戦となったこの事件を「アルダート駅前国王殺人未遂事件」として語られるようになった。

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