201.銃撃戦
アルダート駅の城門広場口改札から抜けると、俺の頬を何かが凄まじい速度で掠めていった。
そのおかげで、俺の左頬からは血が出てきていた。
さらに続けて、もう一回何かが飛んできて、それは隣にいた隊員の胸部に直撃していた。
「敵襲!!」
「スナイパー!!」
「陛下をお守りしろ!!」
「メディィック!」
今俺たちは何者かにどこからともなく撃たれたのだ。
そのおかげで、場慣れしていない隊員たちは慌てふためきとりあえず身を守ろうと物陰に隠れたり、混乱の中でもしっかりと任されていた身辺警護の任務を忘れずに俺とメリアを自分の体でもって壁を作り守ろうとしているものや、茫然自失と立ち尽くしてしまうものもいた。
「クソども!慌てるな!!陛下の御前だぞ!!陛下の周りを円形に取り囲め!」
「負傷者は後ろに下げろ!」
サッシャとアリアはこんな状況であっても冷静になり部下に対して適切な指示を飛ばしていた。
「中隊ごとに防御態勢をとれ!敵を視認し次第発砲を許可する!」
「ミスティア隊所属の衛生隊は負傷者の応急手当と護送、狙撃手は敵狙撃手の捜索を開始せよ!」
パン!
「うぁ!」
「大丈夫か!」
今度は明らかに発砲音が聞こえた。
恐らくこの弾は発砲音が着弾より少し遅れて聞こえてきたことから狙撃手が放ったものだと思われる。
「お前ら何をしている!応戦しろ!」
さらに狙撃の弾が飛んできたと同時に、どこからともなく現れてきた黒ずくめの武装集団がこちらに向かって自動小銃らしきものを連射してくる。
パパパパッ!ダダダダダダッッ!!
「アリア師団長!敵の増援です!!」
「なんだと?!とりあえず応戦しろ!!」
その言葉を境に激しい銃撃戦が始まった。
どこで訓練してきたのかわからないが、敵の武装集団はかなり練度が高く、こちらの隊員が押される場面が多かった。
そして、時間がたつにつれ前線で戦っていた鉄道武装警備隊の隊員たちが次々と負傷していった。
気づけば、そこらへんに血痕や血だまりができていた。
「狙撃手発見!」
「撃ち殺せ!」
どうやら敵狙撃手は駅から北西に1㎞離れた場所にある廃墟の屋上から狙っていたようだ。
その狙撃手をミスティア隊の選抜狙撃手が装備していたHKG28(HK417の狙撃銃版)で反撃を開始した。
選抜狙撃手の腕がよく、発見からわずか1分で狙撃が成功した。
「通信!王立警視庁に救援要請!」
「はっ!」
銃撃戦に決着が中々つかず、さらにこちら側の被害が増えていく一方だったので、サッシャ鉄道警備局長はついに王立警視庁(名前が国家警察庁とややこしい為、王立警視庁に改称)に応援を呼ぶことにした。
「メリア」
「うん」
俺とメリアも流石にいてもたってもいられなくなって護身用に持っていたP320で応戦し始めた。
しかし、撃ち始めたとたん相手もこちらの脅威に気付きこちらに撃ち返してきたので、すぐに後退し大人しく物陰に隠れることにした。




