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176.ウルス奪還作戦

 

 ウルス城侵攻作戦開始当日


 敵はこちらの内部工作や急襲を恐れてか、数日前からすべての門を閉じ籠城の構えをとっていた。


 とは言えすでに、城内にいる帝国兵のほとんどが飢えや死への恐怖と流行病で士気を大幅に失っており、そして王国軍に完全に包囲されているので士気低下にさらに拍車をかけていた。


 上空には周辺空域警戒のためにセレンデンス空軍基地所属の戦闘機部隊が航空団単位で入れ替わりながら直掩についており、さらに地上には対空砲や対空ミサイルを装備した部隊もいるので、空の守りは万全だ。


 主力の戦車と砲兵部隊は全車照準をすでに門や物見やぐら、兵倉庫、食糧庫などの重要施設に合わせていた。


 中でも第11自走砲兵師団に所属している203mm自走りゅう弾砲は重巡洋艦主砲(8インチ砲や20.3㎝砲等)と同じ強大な威力をもつもので、これを各門正面に向け発射して木っ端微塵に壊し、籠城ができない状態にする。


 メリアと俺やウェルシュ・ヨナ東部遠征軍総司令官(戦時臨時編成)などの上層部の人間は、ウルス城から4㎞離れた位置に以前工兵が設営してくれた、前哨基地改め前線指揮所にいた。


 この前線指揮所は地上からの攻撃に対する防御だけでなく、空からの襲撃からも守ることを考慮された非常に強固な陣地になっている。万が一ここが直接敵の攻撃を受けても本隊到着まで難なく持ちこたえることであろう。

 ここでも、模擬戦の時と同様にモニタや無線通信などで戦況を見守り、何かあればここから直接指示を出すようにする。

 前線の指揮はリメリア中将に任せてある。


「陛下、いよいよですね。これだけの戦力をもってすれば敵を鎧袖一触することができるでしょう!」


「ああ、そうだな。やっと人様の土地に巣食っている連中に鉄槌を下す時だ、すでに内部事情も事前に調査しているし、メランオピス隊による工作も完了、外には砲兵・戦車部隊が全周囲から包囲し、敵は流行病で崩壊状態だ、これは間違いなく今日中に終わるだろう」


 集結している近衛軍団と戦車軍団、砲兵、対空師団を臨時で“東部遠征軍”として統括指揮することになったウェルシュ・ヨナ陸軍大将は、勝利が確実と思っているようで俺に対して興奮気味に話しかけてきた。


「そうだといいけどね」


 一方メリアは敵の動きの中で何かが引っかかっているようで、浮かない顔をしていた。


「なんでだ?」

「よくよく考えてみると、敵がこんなにもあっさりと籠城して、しかも何の抵抗もないなんて不気味だと思わない?」


「言われてみれば確かに、でもレナの報告では特に不審な点は見当たらなかったはずだが?」


「本当にそうかしら?」


「はっ……、そういえば……」


 メリアのその言葉を聞いた、ヨナは思い出したようにKCIAから得ていた情報の書いてある資料を荒っぽくめくり始めた。


「こ、これを、伝え忘れていました……不覚」

「ヨナ?どうした?とりあえずそれを見せてくれ」


 そういって、その報告書を見た俺とメリアは驚愕した。


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