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175.帝国空軍基地空爆作戦!

 帝国サイド


 爆撃から数時間後

 ディシア市民たちは初の“空襲”に驚きや恐怖を隠せないでいた。

 この世界の歴史上この首都は一度たりとも敵の攻撃を受けたことがないのだから無理はないだろう。

 それがまだ、町の一角や軍事施設だけならまだしも、この攻撃でこの国のシンボルでこの国の指導者である女帝の住まう城が今や崩れ去りただの瓦礫と化しているというのだから、ディシア市民のほぼすべての人々が恐慌状態に陥っていても不思議はないだろう。

 これには政府高官や軍上層部も朝には大慌てで会議やら対応に追われ大混乱に陥っていた。

 この攻撃で軍人の死傷者は5万6800名に上り、一般市民も1200名と少なくない人が犠牲になってしまった。


 そしてこの国の人々にとって一番気になる女帝は、この時たまたま国内の軍幹部と会談をするために保養地がある帝国西南部にあるテーザ湖に訪れていて、その近くの宿に宿泊していたため運よくこの難を逃れていた。

 ディシア城の崩壊と帝都ディシアにおける被害の報告を聞いた女帝は、怒りのあまり宿泊先の執務室の机の上に置いてあったものすべてを床に投げつけたうえで、机に突っ伏したそうだ。

 その時、ぼそりと小声で「思ったより早かったな」と言っていたとかいないとか。



 この帝都爆撃から一週間後、帝国領内では帝国がこのままでは王国に負けてしまうのではという人々が出始め、爆撃から二週間後には首都近郊の住民が次々に“武装蜂起”し、これに呼応する形で地方各地でも武装蜂起が起きていた。

 これに女帝直下の部隊が“鎮圧”という名目で出撃し、これを次々に“口封じ”をしていった。

 この“口封じ”が全国で一斉に開始されると、この一連の騒動は鳴りを潜めた。


 しかし、帝国中部地方では、無理やり帝国領土内に組み込まれたかつて独立して存在していた国々の子孫たちや今の反帝国派の領主たちは、表向きはただの地方政治集会として集まりこの会議で反旗を翻すことを計画する。

 この計画を実行するにあたって王国側についたほうが得だとみてすぐに密使を送ることにした。


 爆撃を受け帝国陸海空軍の各参謀部は、陸海軍では王国には太刀打ちできないと考えが出始め、まだ対抗措置が取れそうな空軍の全部隊を投じて、飽和攻撃による敵航空部隊壊滅を優先的に実行し、壊滅させた暁には一気に王国側の陸軍部隊と海軍艦艇に対して空襲を行い、兵力を激減させたのち、再び陸海軍での侵攻作戦を始める計画を練り始めていた。

 この前に、帝国を裏切りさらにイスフェシア皇国と同盟関係を結んだ、テレン聖教国に陸軍最精鋭の部隊を投入し完全に支配下に置く、

 その後イスフェシアに対して包囲戦を挑みこちらも完全な支配下に置くことにする計画を実行。

 この計画を実行する理由は、第一に大量の奴隷を得てそれを最前線に送り込み帝国兵の”肉壁”にすること、次に帝国の軍事力を王国に対して示すことが挙げられる。




 王国サイド


 この二つの爆撃の報告を東部方面隊司令部内の来賓用寝室で寝起き一発目にエリカから受けた俺とメリアは、朝一番でこの吉報を聞き、不安な日々を過ごす俺たちの心の中に光が差した。

 そしてウルス城の攻略準備が整ったとの報告も入ったので、朝食をとった後すぐにワタとメリアはウルス近郊の前線指揮所に向かことにした。


 いよいよこれから直接的な帝国への反攻作戦が始まる。


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