表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/524

160.爆撃開始!

 

 第2航空団とすれ違うように現れた、大きなブーメランのような形をした黒い大きな飛行物体の編隊は今回の主役となる第1爆撃航空軍第443飛行隊(レグルス隊)所属のB-2ステルス爆撃機20機だ。


 このB-2爆撃機はアメリカ空軍が使用するステルス爆撃機で、通常の戦闘機や航空機などにある垂直尾翼と水平尾翼がなく、全翼機と呼ばれる非常に珍しい特徴的な形状をしている航空機で、この特徴的な形状に加えて特殊塗装などによってステルス性を最大限発揮できる。

 B-2爆撃機は爆弾を最大18トン機体下部のウェポンベイに搭載可能。


 この爆撃機は世界一高価な航空機としても知られ、製造するのにも整備維持するにも莫大な費用が掛かる、そのため軍事大国であるアメリカでさえその費用ゆえに少数しか配備できなかった、しかし、こちらは召喚によって手に入れられるので維持以外考えなくていいので、配備し放題だ。

 乗員は2名(3名)航続距離約12000㎞、最高速度1000㎞/h、最大武装18t


 そして今回B-2爆撃機が爆撃に使用するのは、BLU-96(燃料気化爆弾)、GBU-57A/B(地中貫通弾)、CBU-97でこれを各機別々に搭載させる。


 まず、BLU-96(燃料気化爆弾)は火薬を主に爆発させるのではなく、その名にある通り特殊な燃料を瞬間的に気化させ(この現象のことをBLEVEという)空中に散布し、散布後その燃料に着火させ自由空間蒸発雲爆発(可燃物質が雲のように拡散してから着火爆発すること)を起こして爆発させるもので、従来の爆弾などとの殺傷能力の相違点は、爆弾外殻の断片を高速飛翔させ殺傷するのが通常の爆弾であるのに対し、燃料気化爆弾は爆風衝撃波そのものによって殺傷する。


 次に、GBU-57A/B((地中貫通弾(通称バンカーバスター)は通称の通り飛行機の掩体を破壊する用の爆弾で、鉄筋コンクリートだと8m、地表面に対してだと40m貫通できる(地質にもよる)。

 最後に、CBU-97は自由落下型クラスター爆弾の一つで、クラスター爆弾とは本体となる大型の弾体から複数の小型の爆弾が搭載されているもので、この従来の爆弾と違って点に対してではなく面に対しての効果を発揮する。


 これらをペイロード限界まで積んだB-2爆撃機20機(2機のみ通常爆弾)が目標上空に到達した。

 到達すると各機弾倉庫を一斉に開き、爆撃準備を整えていた。


「レグルスリーダー、ビックイーグル、目標上空についた、指示を!」

「ビックイーグル、レグルスリーダー、各機爆撃開始せよ」

「レグルスリーダー、ラジャー!」


 その命令が各機に伝達された後、まずはCBU-97と通常爆弾を積んだ機から爆弾投下を開始した。

 爆弾投下後、CBU-97は途中で小型爆弾を大量に分散させる、そのまま地表付近に到達した爆弾は広範囲にわたって次々に爆発し、地上に設置していた敵兵を模したターゲットを吹き飛ばしてゆく。


 その次にBLU-96を積んだ機が爆弾投下を始める。


 96発の(たまたまこの数になっただけで合わせようと思ってないヨ)BLU-96が目標上空に到達した瞬間一気に炸裂し地上を焼き尽くすように大きな爆炎が上がっていた、それは文字通り火の海のようでこれではどんなに外皮の硬いモンスターや竜などでもひとたまりもないだろう。

 炸裂したその丁度真上には複数の“きのこ雲”が発生していた。


 その情景はまさに核戦争や世紀末を呼び起こさせるようで、これがいまは傍観者だがもし何かのきっかけで逆の立場になってしまったとなると立ち尽くすしかないだろう。


 それも収まらぬうちに、今度はGBU-57A/Bによって地下の作戦室や指令室、そこに逃げ込み生き残っていた敵兵に対して攻撃を開始する。

 3万ポンド(約14トン)もあるGBU-57A/Bは着弾後、その炸薬力によって凄まじい爆音とともに地表をめくりあげるようにして爆発し、地下にあった施設諸共敵兵を消し去った。


「レグルスリーダー、ビックイーグル、レグルス全機投下完了、これより全機帰投する」

「了解した、ご苦労」

 爆撃が完了したB-2爆撃機全機はこの後の夜間爆撃の準備をするためにすぐさまセレンデンス空軍基地に引き返していった。


「レグルスリーダー、アルファ1、これより爆撃地の偵察を開始せよ」

「アルファ1、ラジャー!」


 爆撃後の地上の状態や敵兵への被害状況を確認するため、退避地点で待機していた空軍特殊部隊の第11特殊作戦航空団アルファ大隊が偵察を開始した。


 しばらくすると、第11特殊作戦航空団アルファ大隊が爆撃地からセレンデンス空軍基地側に離れた位置に予備兵力として待機していたと思われる敵兵約1500を発見との報が入った。


「アルファ1、ビックイーグル、敵の残存兵力を確認、その数およそ1500、そしてさらに現在我々は敵の斥候隊に遭遇しこれと交戦中!至急上空支援を求む!」

「アルファ1、了解した、これより上空に味方航空機を派遣する、それまで持ちこたえてくれ!」

「了解!」


 これは、訓練のはずなのだが、現場の兵たちはさながら実際の戦場にいるかのようである。

 それを表すかのように、通信機から聞こえる声から緊迫した状況が伝わってくる。

 アルファ1の通信を聞いたビックイーグルはすぐに周辺空域で待機していた第23近接航空支援団第231飛行隊所属のA-10近接航空支援機20機をすぐに向かわせた。


「アルデバランリーダー、アルファ1、アルデバラン各機敵上空に到着、指示を!」

「アルファ1、アルデバランリーダー、感謝する!レッドスモークより北の位置に対して攻撃をしてくれ!」

「了解!」


 A-10近接航空支援機はまっすぐ敵の位置まで急降下していった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
魔法の国と異世界転移者
←いつも読んで頂きありがとうございます。
拙作のスピンオフ作品です!(執筆者は別人)
よろしければこちらも合わせてご覧ください! cont_access.php?citi_cont_id=928248757&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ