表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
163/524

157.作戦状況


 ベレーザ中将の近況報告が終わると、次に空軍総参謀長であるエレテス・セフィーロ大将から我が軍の作戦進行状況と敵軍の情報について話し始めた。


「まず、陸軍からアイアンフィスト作戦の進捗状況について共有があったのでお伝えします。現在陸軍特殊作戦軍第一連隊と陸軍特殊部隊第一師団がウルス城近くにある山の麓に到着し、特殊部隊第一師団隷下の建設工兵隊により前哨基地を建設完了したようです。そして両部隊の一部はすでにウルス城内に潜入し、情報収集を開始しているとの事です。東部遠征軍の本隊はすでに編成が完了し、行軍を開始しました」


どうやら陸軍の作戦はここまでは予定通り進んでいるようだ。


「その他にエンペリリア・ローザ王女殿下率いる“青の騎士団“(兵力1000)と冒険者1人が、ウルス城の南に位置する敵の前哨基地に攻撃し、見事撃破したそうです。後は、ローザ王女殿下の率いる部隊はアイアンフィスト作戦に参加する予定です」


援軍としてローザが駆けつけてくれたおかげでこちらも大助かりである。


「最後に海軍からの共有事項をお伝えします。第1、2、5艦隊は編成が完了したので、第1、2艦隊は東部海域に向けて出航し、第一艦隊はベルン港沖合2㎞迄にこの後昼過ぎには到着し、陸軍の攻撃と合わせてウルスに向けて対地ミサイル(トマホーク)や空母艦載機による往復爆撃を、ベルンに向けては艦砲射撃を行う予定です。そのほかに第一艦隊所属の航空部隊はこの後当基地に飛来し合同演習を行う予定です。第2艦隊は予定通り出雲国の要人を洋上で回収後すぐに帰還、第5艦隊はエンペリア王国周辺海域にいる帝国艦隊と戦闘中のエンペリア王国海軍艦隊の支援に向かうようです。以上が海軍からの情報です」


 第一艦隊に関していえば、出港はバーグ沖海戦から帰還した翌日にはしていたので、確実にうまく海軍が機能している


 その他の敵軍の情報は以下の通り。


 ベルン港に水棲モンスター大量発生、これにより港に停泊していた軍艦の約30%が沈没し、物資・兵員輸送用の船は壊滅的な被害を受けた。

 情報収集要員曰く、沈没した船はすべてイッカクに似た巨大モンスターによって攻撃されたらしく、この話は運良くその場から脱出しエミナ港にたどり着いた商人から聞いた確かな情報のようだ。


 敵が現在占領中のウルス城とベルン港では伝染病インフルエンザが蔓延している(パンデミック級 非常に致死性が高くこの世界の治癒魔法や医療では対処不可能で、これにかかったものは残念ながら助けてもらうこともされずただ死にゆくしかない(現代医療でこれは簡単に解決が可能で、薬によって治せる、潜入任務に付いている兵にはワクチンを投与したのでこの影響は受けない)その二つの影響を受け敵兵力が大幅に減少し、さらに補給手段を海運に頼っていたため食糧不足にも悩まされはじめている(占領時にはすでに食料などは領民によって全て運び出されているので、現地調達も不可能)


 現地住民はすでに避難を完了しているので被害皆無。

ただ、これを受けてそのまま放っておくほど帝国軍も馬鹿ではないので、この対策として陸路での援軍(兵数不明)と補給物資を送ることにしたようで、その援軍の中に最高位の治癒魔法師が数人含まれているようだ。

 さらにこれとは別に、行動を開始した部隊があるという情報が入って来ているのでこれにも注意が必要だ。


 敵航空部隊の様子は、陸と海の状況に何の左右もされることもなくむしろ活発な動きが多くなっている、中でも顕著なのがセレンデンス空軍基地周辺空域への竜騎兵による偵察が多くなってきている事だ。

 敵もどうやら、今こちら側が航空戦力を準備していることを察知し、これに対して警戒感を露わにしているようで、威嚇するかのようにギリギリ近くまで飛んでくるが、少し前に防空部隊によって迎撃を受けたのと以前のバーグ沖海戦で竜騎兵がこちら側の攻撃で全滅したのを聞いているので、近付いてくる以外のことはしない。

 ただ、情報によると流石に危機感を覚えた帝国空軍は、すでに大型飛空艇多数を出撃させているようで、その飛空艇で空爆を仕掛けてくるつもりのようだ。


 今はまだ航空部隊は訓練途中なのでまだ緊急発進スクランブルの許可を下していない、その為現状は地上に配備されている防空部隊に頼りきりの状態だ(消極的防御)。

 しかし、今は防空部隊で防いでいるものの、地上と空の同時侵攻を受けたら、流石に防げなくなってしまうので、早くても今夜には緊急発進ができるようにしたい。


「これで報告を終わらせていただきます。この後の予定ですが、両陛下にはここより北にある射爆撃場にておこなわれる第一爆撃航空軍と第23近接航空支援団の大規模爆撃演習を見学していただくことになっております、そのあとに当基地に戻り海軍航空隊との合同演習と敵味方に分かれての模擬戦を行います」


 報告が終わると、いよいよ今回のメインイベントの空軍の演習を見学に向かうこととなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
魔法の国と異世界転移者
←いつも読んで頂きありがとうございます。
拙作のスピンオフ作品です!(執筆者は別人)
よろしければこちらも合わせてご覧ください! cont_access.php?citi_cont_id=928248757&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ