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10.初クエスト

 次の日の夕方。


 宿から出た俺は南門から出るといわれた通り西にあるとされる森に向かった。


 森に入る前に俺は装備の確認を行った、宿を出る前にもやってはいるのだが念のためと不意の遭遇戦が起きたときに何らかの不具合があっては遅いからだ。


 確認といってもSIG716であればチャージングハンドルを少し引き、弾の排莢する部分イジェクションポートを見て弾が入っているかどうかや安全装置がセフティに入っているかの確認と、P226は本体上部のスライドを少し後ろに引くことによって弾が装填されているかといった簡単なものだ。

 確認が終ると念のため装具にゆるみはないかも見ておく。




 森は奥に進めば進むほど薄暗くなっていき、なんだか不気味な雰囲気だ。


 (なんだか、冒険しているようで興奮してくるな)


 SIG716を前傾姿勢で構えながら森の中を進んでいく。


 しばらくの間森の中を探索してみたがなかなかスライムが見つからず、俺は一息つくため木の幹に身を預けた。

 小腹がすいてきたのでLiSMを開き食料の項目から適当に探しだす。


 選び終えた俺はLiSMからゼリー飲料を召喚してちょっとした水分補給をする。

 これを召喚したのはただ単にこれを出したくて出したのではなく、この世界では存在しないものを放置した場合どうなるのかを知りたかったからだ。

 実際飲み切った後のごみは地面に置くと、召喚した時と同じように淡い光を放ちながら消えていった。




 その後も彷徨うように森の中を歩いていくとようやく数匹のスライムの群れを見つけた。


 俺はこちらに気づく前にスライムに狙いをつけセレクタをセミオートに入れる。

 重い破裂音とともに発射された弾が次々にスライムに向かい体を“破壊”していく。


 ダンダンダンッ!


 7.62×51㎜という大口径の弾を受けた体の小さいスライムは、一部を残してみるも無残な姿に変わってしまっていた。

 ただ、このぐちゃぐちゃになったスライムであったものを見ても、今は慣れてしまったせいか何も思わなくなってしまっていた。


 このクエストはスライム5匹の討伐となっていて、スライムの“核”と呼ばれるものを5匹分持ち帰ることによって達成される。

 その核を探そうと死体に近づくがほぼミンチ状になってしまっているので残念なことにそれらしきものも見当たらない。

 衝動的に発砲してしまった自分に毒づきながらも次の獲物を探すべくその場を後にする。


 次は体を微塵にしないようにとSIG716を背中に回しハンドガンのP226に切り替えておく。


 その後すぐにスライムの群れを発見したので、すぐさま狙いを定め発砲を始める。


 さっきと違った発砲音を響かせながら、標的を屠ってゆく。


 しかし、周りを見ずに撃ち始めてしまったため、気付いたころにはスライムに周囲を囲まれてしまっていた。

 その時には既に1マガジン(弾倉のことでこの銃は17発)をすでに撃ち尽くしてしまっていた。


 ハンドガン(自動拳銃)は弾を全弾撃ち尽くすとホールドオープンと言ってスライドと呼ばれる銃の上部が後退したままになり動作を停止した状態になる。

 それを解除するためにはまず弾倉をマガジンリリースボタンを押し弾倉を引き抜き、同じ場所に新たなマガジンを差し込み、最後にスライドリリースレバーと呼ばれる後退したスライドを固定している金具を押しスライドを前進させると元の発射可能状態に戻る。


 その動作を素早く行い再び射撃を始めるころには、すでに至近距離まで何匹かが迫ってきていたがすぐさま撃ち殺し事なきを得る。


 2マガジン分を撃ち切る前には視界内にうごめくものはいなくなっていた。


 気づくと俺は疲れか緊張からなのか放心状態でその場にへたり込んでしまっていた。


 (正直スライムだと思って高を括ってたけど、ここまで多いと流石に恐いな)


 しばらく座り込んだまま動けなくなっていた俺は呼吸を整え体制を立て直すと、近くにいたスライムの遺骸から核をあさり始めた。


 すると薄い赤色をした小さい球状の光る部位を発見した、これがおそらくスライムの核なるものだろうと思い、あたりに転がっているスライムから回収していった。


 中には損傷が激しくとることができなかった個体もあったがざっと25体分もの核を回収できた、このことによって条件の5倍に上る戦果を獲得できたことになる。


 回収が終わり再びの疲労感が出てきたところで近くにあった木の根元で体を休めた。

 体を急激に動かしたこともあっておなかもすいてきたのでLiSMを使い、手ごろなものを呼び出し腹に入れていく。

 同時に弾の補給もしておき、帰り途中での戦闘にも備えておく。


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魔法の国と異世界転移者
←いつも読んで頂きありがとうございます。
拙作のスピンオフ作品です!(執筆者は別人)
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