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9.冒険者ギルド



 次の日起きるとすでに昼を過ぎているのか窓の外に見える太陽はすでに傾き始めていた。



 昼食の時間すらも過ぎていたため、何かを食べに行こうかと思いベッドから起き上がると、近くに置いてあったテーブルの上には藁のようなものでできた四角い蓋状のものが置いてあった。

 その蓋の上には置手紙が添えてあった。

 手紙には「朝食を取りに来られなかったので部屋までお持ちしました」と書かれていた。

 流石は人気の高い宿だけあってサービス精神も高いようだ。


 蓋を開けるとそこにはフランスパンを小さくしたようなパンが二つと、持ってきたときには温かかったであろうコーンスープのようなものがあった。

 思えばこの世界にきて初めて食べる食事だが何の違和感なく食べることができる。



 食べ終わるとすぐに身を整え、再びギルドへ向かうことにする。

 ちなみにエレザたちは近くでモンスター退治をするということでもうすでにこの宿にはいなかった。


 昨日と同じように通行人に通常ではない視線を浴びながらギルドに入っていくと、受付には昨日登録してくれたリズがいた。


「こんにちは、昨日はずいぶんと疲れていたようですね、エレザが珍しくあなたが起きてこないことで心配していましたよ?」


「ハハッ、そうですか自分でも驚きましたよ起きたらもうすでに日が傾いてきていたんですから……それよりギルドについて教えていただけますか?」


「あっ!そうでしたね、ではまず――」


 リズが教えてくれたことを要約すると。


 今まで冒険者ギルドのことを単にギルドと呼んでいたが、ほかにも主要なものに商会ギルドや職人ギルドも存在しているようで商売を始めるには商会ギルドに登録しなければならず、何かの工芸品や武具を製造するには職人ギルドに登録してからでないと始めてはならないようになっている、そのため複数の条件に当てはまっている人は複数のギルドに登録している。

 例えば冒険者でありながら少数でも武器の生産または修理などを行うようであれば職人ギルドに登録が必要。


 しかし、例外的に軍に所属するものは登録する必要がない。


 次に、ランクについてだが上から順にUL、L、SS、S+、S、A+、A、B+、B、C、D、E、F、Gの14段階になっていてSランクは数十人いるが、LランクとULランクになってくると片手で数えられるほどの人数しかないようだ。

 ちなみにエレザは史上最年少でULランクに上がった実力者のようだ。


 冒険者ギルドに登録した人は必ずランクを相手に(特に関所や各ギルド)示すために魔石が組み込まれたカード状の識別表を所持する。

 商会ギルドや職人ギルドにはランクは存在しないので違った形のカードを持っている。


 この魔石にはランクはもちろんのこと受けたクエスト内容、戦果、所属するグループなどの個人情報が残るようで、これは前の世界でいう“ICチップ”のような役割を果たしている。

 さらに、Dランクを超えてくるとこのカードで支払いもすることが可能になってくるので、現代でいうデビットカードの役割を担うことができる。

 といっても電子情報のやり取りはこの世界では不可能なので現金を銀行から手元に召喚する機能になる。


 しかも、他人による不正使用を防ぐために“個体認識術式”というのもあり、他人が不正に使用しようとすると自爆(手に持っていたら確実に手首の先からなくなるレベルの爆発力)するようになっている、こんな機能があるためか今まで不正使用された事はない。

 軍人である場合は基本的には同じで個人認証用やデビットカードのように使える。

 もしなくしたり破損してしまった場合はギルドに行って再発行をしてもらえるようだ。


「――と話は以上です、何か質問はありますか?」

「いや特に……この後少し時間が空いているので何かクエストを受けたいのですが何かありますか?」


 俺は腕試しと今後の活動資金を少しでも得るため夜までの余った時間をクエストに使うことにした。


「そうですね……今あなたのランクでできるのは“スライム討伐”ぐらいですかね、一番難易度も低いので簡単に済ませることができますよ、しかも場所は町を出て西にある森なので近いですよ」


「じゃあそれで」

「では、カードに記憶させるのでしばしお待ちを……」


 するとリズはカードに手をかざし何かを唱えた

 カードに情報を登録するにはそれ専用の魔法を使う必要があるらしい、この登録するときと同じ魔法を使うことによって受注中のクエストを確認したり中止も可能のようだ。


「ハイ、これで大丈夫です」

「では、行ってきます」

「気を付けて!」


 俺はカードを受け取り、リズに見送られながら初クエストへと向かう。


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←いつも読んで頂きありがとうございます。
拙作のスピンオフ作品です!(執筆者は別人)
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