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129.帰港

 

 キティホーク甲板上で行われていたバーベキュー大会は夕方前には撤収し、撤収後は哨戒任務や訓練のために飛び立つ機体とそれを支える人員たちがまた動き出していた。


 一方で、艦内の一般乗組員用の広い食堂では、先ほどのバーベキュー大会に参加できなかった人達がここで飲み会を始めていた。

 この飲み会で人気を博していたのは、首脳だけでやったパーティーでも人気だった日本酒たちであった。

 乗組員の大半が女性で占められているが、そんな人たちでも気軽に飲めるお酒を俺がチョイスして大量に召喚しておいた、日本酒はアルコール度数が高めでお酒感が強くすぐに酔いやすいという人が多いが、日本酒を正しくそしてゆっくり飲めば味わいながらおいしく飲めるものである。そんな日本酒の中には甘くてフルーツのような香りがするものや、まるで水のように飲みやすいもの、低アルコールで炭酸を添加したものなどがあり初心者や苦手な人でも楽しめるようなものもたくさんあるのだ。





 そしてもう一つ艦内で人気急上昇中の物がある。


 それは“コンビニ”だ。


 これは試験的に異世界の人たちに“異世界の物”を知ってもらおうとキティホーク艦内限定で企画したもので、主に食料品と日用品のみの販売をしてみた。

 ある程度予想はしていたが、予想を超える反響があり店の外は長蛇の列で店内は常に満員電車状態になってしまい、店側はこのために用意した艦内有志達でもって営業を開始させたが全員が、当然全員新人アルバイトなのでレジでバーコードを読み取ることやお釣りの受け渡しも苦戦するなどして大パニックを引き起こしていた。

 唯一心配していた重大トラブルなどは、軍紀がしっかりしていることもあって何も起こらなかった。


 コンビニでは特に、こちらにはない炭酸飲料やお菓子が飛ぶように売れ、緑色の爪痕がある炭酸飲料や赤い雄牛が書かれたエナジードリンクが一瞬でなくなった。

 これらがなくなるのは眠さや日々の疲れがとれるから人気がでたなのではなく、単に甘くてその炭酸だから人気が出たのだそうだ。

 もちろんこの世界にない珍しい飲み物という事もあるのだろう。


 ちなみにとある兵がこれを睡眠前に飲んで「これを飲んだら寝れなくなったじゃないか!」というクレームを入れて来たのだとか。


 何はともあれ大反響を呼んだこの企画は、ただ単にこういうものがあることを知ってもらおうということだけではなく、兵員に対して俺とヴィアラが話し合ったときに出た、何か安らぎや楽しみを与えられたらという考えから出てきたものだ。

 これを全艦隊や全軍だけでなく一般市民にも広められたらという狙いももちろんある。


 俺は今後これだけでなく、ほかのサービスを作って成長させ、それを今後のコンダート王国経済基盤としていきたいとも考えている。





 空母キティホークを中心とした艦隊は、母港であるキーレ港に無事帰還を果たしていた。


 キーレ港へ艦隊が帰港してくる情報がどこからかつたわっていたのか、港が見渡せる丘や軍港に隣接している漁港にはたくさんの人たちが集まり出迎えてくれていた。その中には陸軍の兵隊も参加していて、最敬礼と儀仗隊による祝砲も行われていた。



 そして帰港から二日後には、俺はキーレ港を離れヴィアラと海軍首脳陣、ベル達とともにあらかじめ手配していたハンヴィーに乗って王都に戻ってきていた。

 王都に戻ってきて早々、久々のメリアとの再会とはいかず、すぐにアルダート城内にある大会議場に足を運んだ。


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