116.空中戦!
空母から北に300㎞上空。上空を警戒中の早期警戒機のレーダー情報をもとに空母艦載機52機全機が当空域に集結していた。
当空域に集結している部隊は以下の通り
第一一戦闘攻撃飛行隊(F-14D 22機)飛行隊長 ガルード・メディナ中佐
通称ワイルドバード コールサイン:WB
第一二戦闘攻撃飛行隊(F/A-18F 30機)飛行隊長 エルペント・セフィアナ中佐
通称ライノレディス コールサイン:RR
第一早期警戒飛行隊(E-2D 4機)飛行隊長 セルドナント・スレイリィ中佐(前線指揮官)
通称ビューティーアイ コールサイン:BE
各飛行隊長に任命されている“彼女”達は皆、今までウィスティリアの元にいた直属の部下たちで、かつ全員がベルと同じ種族出身の者たちだった。
彼女らは以前より“航空戦力”としても優秀だった。といっても上空偵察や上空からの弓を用いた狙撃などであったがそれでも敵の本当の意味での航空戦力がいなかった時代には大活躍していた者たちだった。
しかし、最近は彼女らと同じ種族が戦闘により数を減らし最盛期は数万ほどいたが、今では100に届くのも怪しいほどその数を減らしてしまっていた。
閑話休題
現在、第一早期警戒飛行隊一番機(BE)は攻撃機隊本隊から後方に離れた位置から敵の情報を収集していた。
当初は敵機発見後、監視目的だったのだが(にしては大げさとか言わない)、ゆっくりではあるがこちらに徐々に近づいてきたので今に至る。
「スレイリィ隊長、ウィスティリア航空団司令から通信が入っています!」
「わかった。こちら、スレイリィ、司令いかがしますか?」
「スレイリィか、このままだと、艦隊に近づきすぎる攻撃を開始しろ!奴らに目見ものを見せてやれ!散っていったみんなのために……」
「了解!おい!聞いたか?すぐに攻撃開始だ!」
その直後、すぐに攻撃機隊全機に行動開始命令が発信される。
「BE1(BE隊長機から)、WB1(WB隊長機)、RR1(RR隊長機へ)。ピクチャー(画面上)、バンディット(敵)20シップス(機)、ブルズアイ1-5-0(参照点から150度)、フォー0-8-0(距離80海里)、エンジェル9(高度9千フィート)(約2743m)」
「WB1、ウィルコ(了解)」
「RR1、ウィルコ」
「WB1、オールWB(WB全機)、レーダーホット(レーダー装置起動せよ)!」
「RR1、オールRR、レーダーホット!」
この時、第一一戦闘攻撃飛行隊が第一二戦闘攻撃飛行隊より右20度距離13マイル前方に位置していた。
「WB1、BE1、レーダーコンタクト、バンディット20、こちらにまっすぐ突っ込んでくる」
「BE1ラジャー、オールファイター、ウェポンズフリー」
「ラジャー、WB1。オールWB、ウェポンズフリー(武器使用を許可する)、エンゲージ・マイ・ターゲット(各機指定の敵を攻撃せよ)」
「RR1。オールRR、レディトゥーファイア(射撃準備)、ノットエンゲージ(指示あるまで攻撃するな)」
「「「「ウィルコ!WB3456…Fox3!!」」」」
無線通信をブレヴィティ・コード(略号)によって行われ、部隊内に情報が行き渡ったのちに攻撃が開始された。
F-14Dから発射された20発(WB1と2は発射せず)のAIM-120D AMRAAMが目標に向かって凄まじい速さで一斉に向かっていく――――
専門用語多めですが、場面を盛り上げるためでもあるのでお許しを。




