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114.ウィステリア


 これを見て興奮が抑えきれない俺は航空管制所(艦橋第七階層)でLiSMを取り出し、そのカメラ機能を使って写真撮影に没頭し始めてしまった。


 隣に付き添っていたアリサやヴィアラは、呆れつつも俺の楽しんでいる時間を邪魔しないようにそばで見守ってくれているようだ。しかしそんな彼女たちも空を飛んでいるものに興味を示し、俺が飽きるその時まで眺め続けていた。


 この空母艦載機全機を束ねる空母航空団司令ウィスティリア大佐はベルと同じ獣人族の出身で背中には赤い羽が生えている、髪の毛もその羽と同じ色合いの赤で髪型はショート、頭の上にアホ毛があるのが特徴だ、筋肉質な体付きで胸の大きさは控えめ(Cぐらい)、服は俺が航空団司令をやるならと思ってフライトジャケットを着せて下もそれに合うものをチョイスした。おかげで映画に出てきた女性教官のような見た目に今はなっている。


 そんなウィスティリアは以前、東部方面で陸軍の歩兵隊長として戦っていたが、帝国軍の竜騎兵に壊滅させられた為命からがら脱出し王都までたどり着いた。そこで自分の部隊の敗戦を知り、陸軍のあり方に嫌気がさしていたウィスティリアは、同族であるベルに頼みこんで海軍に異動した。その背景にはコンダート王国陸軍はどんな種族でも基本的に入隊することはできるが、作戦は“人”ができる範囲のことしかしないため、たとえウィスティリアのように飛べる種族が戦場にいたとしても飛ぶことを“命令”で禁止されていて、飛んで戦うことが有利な場合であってもそうはさせてくれない習慣があった。そのためベルも飛ぶことが戦場では出来ず、馬に乗って戦うことを強いられている(ベル的にはあんまり気にしていない)。


 しかし、海軍では実力主義を重きに置いているため、どんな種族、出身階級であっても個人の実力が優れていれば基本的に上に上がることもできるし、その作戦が非常に優れているのならばたとえ一兵卒の案であっても採用するようなところである。そして今回は空を飛ぶ部隊を指揮するものが必要となったので、白羽の矢が立ったのが“空を飛ぶ”ことができるウィスティリアであった。


 そして今、俺の後ろでウィスティリアは飛んでいる戦闘機の動きを見ながら必死に何かをメモしていた、今後のこの世界では新兵科となる航空部隊を指揮するものとして彼女の今背負っているものは物凄く重いはずなのだが、彼女の顔には希望に満ち溢れたものが読み取れる。


「ワタ様!そろそろお茶にしませんか?ワタ様が召喚してくださった紅茶をご用意いたしましたよ!」

「か、感謝しなさい!」

「お、おう!じゃ、じゃあそうしようか!」


 夢中になっていた俺に話しかけてきたのは何故か、フリフリでスケスケの白を基調としたメイド服を着たベルとセレアであった。ベルはなんとも思っていないのであろうが、セレアは自分の着ている服が人を欲情させるような恰好をしていることを恥じて俯き気味にこちらを向いている。

 なぜこの二人がこの艦に乗り込んでいるのかというと、この二人は陸軍からの視察団としてこの艦に乗艦している。陸軍としても航空戦力のことを学び取りたいようでベル達以外にも陸軍大臣ハミルトン・エレシア他数名も同伴している。


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