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病める者

作者: 閑日月 大河

1文1文じっくり読んでいただけるとありがたいです。

 その者は笑いながら目尻から血を垂らしていた。


 その者はある時、腕を失ったものに言った。

「大丈夫?」

と。腕を失った者は答えられなかった。

 その者はすぐ去って行き、また別のものに話しかけた。


 =====================================


 ある日、その者はある女性と話をした。正確にはある女性の話を聞いていた。

 ある女性は俯いたままその者に、平凡に生きていれば気付くことができないであろう話をした。


 ある女性は話し掛けた。それだけだ。調()()()()()()()()そうだ。


 その者はいつも通り笑顔で話を聞いていた。いつも通り、人の裏や世間の闇についての。

 そう、いつも通りのはずだった。何がきっかけかは分からない。だがそういうものなのだろう。


 その者は突如声を上げ始めた。真っ黒なものが確実にその者の物になった。そして助長した。爪が伸び、髪は無くなり、角が生え始めた。繕う必要のない物にその者は歓びを隠せなかった。必要なかった。


 その者は、二度と目尻から液体を垂らすことはなかった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ある日、その者はある女性と話をした。正確にはある女性に相談をしていた。

 ある女性はその者にとって唯一の存在だった。その者は顔を上げた途端、気付いた。


 その者はそれまで相談していた事など覚えていなかった。その者は真っ黒な物をひたすら吐き出し始めた。ただ学校であったことを母親に伝える子供のように。


 ある女性は強かった。既に経験しているのだろう。ただひたすら全てを受け止めていた。


 その者は、二度と目尻から血を垂らすことはなかった。

こんな読みにくい文章を読んで下さってありがとうございます!

よろしければ是非、あなたなりの解釈を書いて下されば幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 同じ物語を読んでいるにもかかわらず解釈が大きく異なること。他の方の感想までもがこの作品の一部といえる。率直に言って楽しい。 [気になる点] そりゃもう明確な答えがないことが気になって仕方な…
[良い点] 良い感じの闇ですね。流石です。 [気になる点] 区切っている線は二種類あるのは何故でしょう? いや、そこも解釈に含めるべきと判断しますね。 [一言] では、僕なりの解釈を。 その者は他人…
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