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第二章 社会人
社会人となった俺は、慣れない仕事を毎日こなしていくことで精一杯だった。俺は先輩に付いて料理本のアシスタントをさせてもらうことになった。が、一人暮らしをしているとはいえ、あまり自炊をしてこなかったから料理のことなんかわかるわけがない。料理について母親に聞いたり俺なりに勉強したが、奥深すぎてさっぱりだ。ついに男の料理教室に通い始めたほどだ。料理のカリスマ主婦やプロなど何人も取材をし一冊の本を作るということの素晴らしさが俺にもわかった。担当した本が本屋に並ぶのが嬉しくて何軒も本屋を見てまわった。
忙しい日々が続いても、帰り道に立ち止まっては空を見上げ、星を見ていた。柊二…今日も星がきれいだな。