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妹は俺を愛しすぎている  作者: 黒タイツ
16/17

等価交換

お久しぶりです、最近寒い日が続きますね。

私はもう風邪で死にそうです

みなさんも風に気をつけて暖房対策を。( >д<)、;’.・ ィクシッ

「なんでこんな時に雨が降ってくるかな!」


突然の雨にびしょ濡れになりながらも俺は雨の中を走る。

心臓が急かすように脈をうち、体全体に酸素を運びつづける。

夏の雨は嫌いだ。

一気に降って一気に止む、そしてからり晴れるとジメジメとして蒸し暑い。

本当に夏の雨は気分屋だ、俺が夏を嫌いだと知っているみたいだ。

けど今はその雨も心地いい。優希の気持ちに答えきれず、妹に説教される兄には丁度いいまでの罰だろう。

はっはっは!雨よ!俺のカルマを流しておくれ!

もう正直、メンタルブレイクされっちゃってます!妹に説教されてこんなに泣くとは思ってなかったよ!雨のおかげで他人には涙見えねぇからマジ最高ですわ!


カラ元気で乗り切る。

優希の家まであと少しだ。

雨を吸収し、重くなったズボンに気にもかけずより一層、脚の回転数を上げ直行する。


見えた、水橋書店。


「ケンジさん!」

「やあ、びしょ濡れで血相変えてどうした亮介君」


片足を組み新聞を広げているケンジさんはいつも通り優しい表情のまま俺を見据える。


「優希はいますか!?」

「その前に脱水所で体を拭いてたらどうだい。それと優希なら二階に……」

「ありがとうございます!」


ケンジさんが言い終わる前に礼を言い、店家をつなぐドアを勢いよく開ける。

まってろよ優希。


「あー……まあいっか」


優希の家の構造は手に取るようにわかっている。伊達に何年も幼馴染みをやっていない、この廊下のドアを開けると脱水所だ。


スボンと上着を脱ぎ、パンツ姿の俺は棚からタオルを拝借。

体全体をくまなく拭き、水分をとる。

隣の席から時々漂う、優希と同じローズの香りがタオルから溢れる。

しかし、パンツ一丁で優希に会うのもあれだしな……ケンジさんの服を少しばかり借りようかとそう思ってたときだった。

ザバァ。


「え?」


バスロブから音がした。

正確には湯船に誰か浸かっていてもうすぐであがる。

誰だ?いや確認をとらなくても分かっている、水橋家は父と娘の二人家族だ。

ケンジさんが店番ならもう一人の娘は……


「やっぱりお風呂は熱いのよね」


ゆうきいいいいいいいいいいいいいいいい!

あかんあかんあかんあかんあかあああああああん!


曇るバスタブのドアにはほんの明るく肌色が目の前にあらわれる。

脱水所から逃げ出すか?いやほんの少しだけ見てみたいという気持ちはある、一応俺も男だ、ここはトラブルを装って……って俺何言ってんだ!?謝りに来たんだろが!ここは抜け出すしかないこの危機的状況をもし、もしもだ!この危機的状況を日向にバレたりしたら兄としての尊厳が……元々ないか。いやそれでもだ!日向から変態と罵られ家事をするだけの家政婦に成り果ててしまう!それだけは避けなくては。そうだ動け!俺のa……


「いい湯だったわ〜」


バスタブのドアが開き、血色の良い裸体があらわになる。

頭からつま先の先までバッチリと視界に入り思考が入り乱れる。


おう……なんということか。

神はこんなにも彼女に試練を与えるのだろうか。

ない、ほとんど無い。

胸部と腹部までほぼ垂直の身体はある意味幼さを感じさせる。

一言言わせてもらう。大平原。


「よ、よお……」


苦し紛れに苦笑いで手を挙げ挨拶をするが、


「……」


無言で何が起こっているのか分かっていないのだろう。呆然と俺を見つめ、数秒して息を吸い込み出した。


「ちょっとまってくれ!確かになんで俺が半裸で脱水所にいるのか認めたくないと思うが俺はお前の裸体を見た。これは由々しき自体だ、ラノベのヒロインなら「責任とってよね!」なんて言ってもおかしくないと思う!そして世の中には等価交換というものがある、だから俺はそれに則って……」


俺は一泊あいだを入れて、


「俺の息子を見せるからそれでおあいこだ!」



勢いよくボクサーパンツを投げ捨て、右手を顔の目の前に、そしてもう片方の手はピーンと伸ばし、ジョ〇ョ立ちをする。


「い、いやああああああああああ!」

「へぶあ!?」


優希は右手をテイクバックし、思い切り俺の頬を撃ち抜いた。











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