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妹は俺を愛しすぎている  作者: 黒タイツ
10/17

優希のアドバイス

すんまそん、文化祭で更新できませんでした



「……朝か」



そう一言呟き、ベットからおりて洗面所へ足をすすめる。

我が家ではオヤジとお袋の部屋とリビング、日向の部屋にエアコンはあるわけだが何故か俺の部屋だけない。

おかげで夏は大量の汗をかき、冬は寒さとの勝負となっている。


そして毎年、夏と冬はリビングのソファーが俺の恋人だ。

期間限定の恋人だよお前はナタシャー。


ナタシャーにそろそろ世話になる時期かなと言いつつ、死んだような魚眼の俺が洗面所の鏡に映りニマっと笑う。

……うーむ、犯罪者と言われてもおかしくないな俺の顔。

優希に言われていることをあらためて確認し台所へ。


フライパンに少量の油をいれ薄切りベーコンを二枚ひき卵を二つ落とす。

弱火で蓋をしてその間に味噌汁と飯のおわんを用意し、皿を取り出しサラダを盛り付けておく。



「……ようやく会話することが出来たんだよな」



そう呟く。

日向と会話をして数日がたっている。

正直、会話できたことが今でも有り得ないと感じている。

大好きな作家さんのサイン会に行ったらその作家さんが妹で、妹が俺と話さなくなったのは中学時代の俺の言動が原因で……なんだろうな昔の俺ってなんであんなに焦っていたんだ。

少しずつ仲を深めていけばよかったのに。



『家族と言っても私たちは一番近い他人という言い方が正しい』



日向の言った言葉は確かにあっている、そんなのよくわかっているさ。

俺たちは書類上では家族だ、けど今の状況を見るとどう解釈しても家族とは言い難いだろう、日向の言った一番近くにいる他人という言い方はあながち間違ってはいない。会話も最低限だけでいいのかもしれない


けどな………そろそろか。

思考を断ち切りフライパンの蓋をあけ、フライ返しで目玉焼きを取り出し半熟の状態で皿に盛りつけ食卓に並べる。


うん、いつも通り我ながら素晴らしい出来具合だ。



「日向ーご飯だぞー」


妹の部屋の前で軽く二回ノックをし階段を降りる。少し眠たげな顔の日向は目をゴシゴシとしながら椅子に座る。


「………頂きます」

「どうだ?美味しいか?」

「…………」

「お!今日の目玉焼きは見事なまでの半熟だぞ!んー!ベーコンと絡めてご飯と一緒に食べるとすごくうまいぞ!」

「……ごちそうさま」




以前よりは喋るようになった、まあ頂きますとご馳走様の二つだけだけどな。

俺の理想としては『兄さんのご飯とっても美味しいね♪今度私もチャレンジしてみよっかな』である。


ふへふへへへ、よーしお兄ちゃん日向のためならなんでもしちゃうぞ〜

内心でニヤニヤするも勿論そんなシチュエーションは起こらず、日向はバックを持って学校へ行ってしまった。


さてと……俺もそろそろ行くか。


♢♢♢♢♢




「で、私に相談というわけなの?」

「す、すまん。優希しか頼れる奴がいなくて……」

「はあ……あらためて亮ちゃんの友達の少なさに驚かされるよ」

「まて俺は知り合いは沢山いる」

「一度二度話した程度でしょ?それって他人だよね?」

「う、うっす」



色坂高校新館三階二年三組の教室の一角、ようやくエアコンの許可がおりたことにより快適な空間を手に入れた生徒達だがその空間で一人、脂汗をかく生徒がいた。



「日向ちゃんと話せたんだねよっかたじゃん」

「いやまあ……話せたんだが……」

「でも、会話はできてないんでしょ」

「うん……」

「はあ……頂きますとご馳走様で満足してるようじゃもう話せないんじゃないの?」

「いや俺はまだやれるやれるはずなんだ……多分」

「はあ……」



ため息をつく優希は珍しい、よく笑っては俺を弄る優希だが相談事となるとまた違う一面が見れるようだ。



「知ってるいま金曜だよ?もうその話何日してるの!?五日だよ五日!!」

「いやそのなんだ……何日も同じ相談ですまない」

「もういいよ、慣れたし」


さすが幼なじみ、伊達に十二年間同じ場所で育った仲だ。


「じゃあ放課後行こうか」

「は?どこにだ?」

「亮ちゃんの家。ついでに晩御飯もいただいていくから」

「……スーパー寄っていい?」

「美味しいものが食べられるって素晴らしいと思わない?亮ちゃん」

「ああ、満足さしてやる代わりに妹とどう話したらいいかアドバイスくれ」

「OKです」



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