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守護獣シリーズ

4つの誓い

作者: 夜凪

長いです。二つに分けるか迷いましたが、どこで分ければ良いかわからずそのまま投稿しました。時間のある時にでも…

泣かない事

強くなる事

君を守ること

そして、いつも側にいる。


僕たちは2人とも、泣き虫のさみしがりやだったから。

1人になりたく無い僕たちはいつだって一緒だった。

だけど、大きくなるにつれて、気持ちだけじゃ側にいる事ができ無いのだと気付いた時、僕は4つの誓いをたてた。


1つ1つ、頑張って僕は誓いを守った。

どんなに痛くても、寂しくても、苦しくても泣かなくなった。

強くなるために、剣も魔法もがんばった。

そうして、君を守るための騎士という称号を得て、いつだって側にいた。


花のように笑う君を見ているだけで、僕は幸せだった、……けれど。


ごめん。セレナ。

僕は4つ目の誓いを守れそうに無い。

踏み荒らされた白い雪に倒れ込む。

君は無事に逃げられただろうか?

どうにか追っ手は倒すことができたから、次が来るまでは少し時間が稼げたはず。


うつ伏せになっていた体を、最後の力を振り絞って仰向きになる。

この北の国には珍しく、青空がひろがっていた。

あぁ、君の瞳の色だ。

冷たいアイスブルーとみんなは言うけれど、その瞳がどれほど柔らかくほころぶか、僕は知ってる。

どうか、どうか笑っていてほしい。

霞む視界に広がる青に、僕は一心にきみを想った。




この世界は東西南北4つの国に分かれていて、それぞれに守護獣がいて国を守っているらしい。

けど、僕は守護獣も他の国の人々も見たことはない。

なぜなら、僕が物心つく頃には北の国にあたる僕の国は鎖国をしていて、守護獣も居なかったからだ。


かつてこの国にいた守護獣は、綺麗な紅い色をした火の鳥で火喰鳥と呼ばれていたそうだ。

何か哀しい出来事があって、守護獣はこの国を去ってしまい、彼らのおかげで暖かかったこの国は、1年のほとんどを雪で閉ざされるようになってしまった。


大人達は皆口をつぐむので、何が起こったのかは僕は知らない。もしかしたら、大半の大人達も分かってはいないのかも知れない。


僕が分かるのは、この国は寒くて人が暮らしていくには困難な場所で、大人は無口であまり笑わず、子供の数がとても少ないって事。

国の四方を険しい雪山で閉ざされているため他国との交流が困難な事くらいだ。




僕が7歳の頃、その出会いはあった。


僕の家は代々王の側近を勤める武の家系で、僕が選ばれたのはその為と同じ年頃の子供が僕しかいなかったから、という、単純な理由だった。

だけど、僕はその理由に感謝する事になる。


父に連れられあがった王城の奥まった一室。

子供部屋というにはあまりにもシンプルなその部屋にその子はいた。

日に透ける金色の巻き毛にアイスブルーの大きな瞳。

ピンク色のドレスを着た小さな女の子は3歳でセレナといった。


王様の3人目の娘であるセレナは、母が元侍女上がりの側室で、後ろ盾も無い忘れられた王女だった。

必然、王女教育も未だされておらず、日中の長い時間を1人で過ごす彼女のお守り役に連れてこられたのが、僕だったのだ。


「初めまして、セレナ様。今日からお側にあがらせていただきます。ユリウスとお呼びください」

教えられた通り跪いて騎士の礼をとる僕を、幼いセレナはキョトンと見下ろした後、花がほころぶように笑った。




出会いの時から、僕たちはいつも一緒だった。

最低限の礼儀作法や一般常識以外にセレナに教師がつけられる事はなかった為、大抵は城の中の許された範囲を探検したり、書庫で本を読んだりして過ごした。


とくにセレナは書庫で他国の知識を知るのが楽しいらしく、放っておくと何時間でもそこに蹲っている大人しい子だった。

「ねぇ、ユリウス。南の国ではね〜〜」

そうして、嬉しそうに自分が得た知識を僕に披露し、最後にウットリとした瞳で

「行ってみたいなぁ〜」

と締めくくるのが常だった。


閉鎖的で、干渉しない大人達に囲まれながら、それでも日々は穏やかに過ぎていった。





「ユリウス!こっちに来て!!」

城の裏手にあたる森は鬱蒼として、大人たちはほとんど来ない忘れられた場所だったから、昔から僕たちにはうってつけの遊び場所だった。


長い冬がようやく終わり、雪が溶けた森に久しぶりに足を伸ばした僕達が、それを見つけたのは多分偶然だった。


雪が溶けた事で地盤が緩み、崩れた山肌に子供が1人通れるくらいの隙間が出来ていたのだ。声はその中から聞こえてきた。


慣れた場所だからとセレナから目を離した自分に舌打ちをすると、僕はどうにかその隙間を潜り抜け中に入った。


入り口さえ通り抜ければ以外と中は広く、立ったまま歩くことができた。薄暗い中10メートルほど進むと広い空間に出る。

以外に明るいのは壁にヒカリゴケがびっしりと生えているからのようだ。

適度に湿って温かい為、成長が良かったのだろう。


「セレナ、勝手にこんな所に潜り込んじゃダメだろ。中に何があるかわから無いし、出口がふさがる危険だってあるんだから」

そこに見慣れた背中を見つけて駆け寄ると、セレナはしゃがみこんでじっとそれを見ていた。


「ユリウス、これ、何の卵だと思う?」

僕に気づいたセレナが、しゃがみ込んだままで首だけをこちらに向けて僕を仰ぎ見た。

「……なんだろう」


そう、それは卵だった。

大きさはガチョウのより少し大きいくらいで、よく見れば、ほんのりオレンジ色に見えた。

卵を見て何の動物が当てれるほど生き物に詳しくない僕は、首を傾げる。


「セレナはなんだと思う?」

僕よりも読書家のセレナの方がそういった方面には詳しい気がしたので、質問を返してみる。


「笑わないで聞いてくれる?」

しばしの沈黙の後、卵を見つめたままセレナはぼそりとつぶやいた。

見えないだろうけど頷いてやると、セレナは思い切ったように早口で言い切った。


「火喰鳥の卵だと思うの!!」


「………………火喰鳥?」

「…………だと、思うんだけど……」

たっぷりの沈黙の後、思わず繰り返した僕に、セレナの勢いがしおしおとしぼんでいくのが見えた。

いや、だって火喰鳥だなんて、見た事あるの僕達の親世帯くらいで……、今ではすっかり伝説の生き物だ。

しかも、卵なんて。


「なんで、セレナはそう思ったの?」

「……色が、ほんのりついてるでしょ?大きさも、本で見た通りだし……そうじゃないかな、って」

自信なさそうに、でも、なんでそう思いついたか、シッカリと教えてくれる。


「でも、だったら親は?どんな生き物だって卵のそばから離れたりしないだろう?」

「……何かがあって帰ってこれなくなったのかなぁ?火喰鳥は慎重な生き物で、卵を人から隠していたらしいし。

で、今回みたいな崖崩れがおこって入り口も隠されちゃった、みたいな……」

首を傾げながら考えられた推測は、確かにあり得そうな気はした。


「でも、それだと最低20年以上は放って置かれたって事だろう?……死んじゃってるんじゃないか?」

「それなんだけど、ね。ユリウス」

手招かれ、卵に触れるように促される。

おそるおそる触れると。


「……温かい?」

それに頷くと、今度はセレナがそぅっと卵を持ち上げ顔の高さまで掲げて見せた。

「それにね、微かにだけどたまに光ってるの。なんの卵かはおいておいても、この子、生きてる」


まるで、ナイショ話をするみたいに告げられた言葉にジッと卵を見つめる、と。

「…………本当だ、光った」

殻の内側から、微かな光が灯り、消えた。

それは、確かに命を主張しているように見える。


「どうしよう」

困惑したようなセレナのつぶやきは、僕の気持ちを代弁しているようだった。


しばらく考え込む。

その間、セレナはジッと僕を見つめて黙っていた。


現在の僕らの立場。と、もしかしたら、伝説の生き物かもしれない卵。


たとえ、持って帰ったとしても、取り上げられて捨てられる未来しか見えない。

良くて、捨てられずとも2度と僕らの目に触れる事は無いだろう。

この卵から、何が孵ったとしても、だ。


「ここに置いておこう」

きっぱりと言い切る僕にセレナの瞳が不安そうに揺れる。

今にも泣き出しそうな青い瞳に安心させるようにニコリと微笑みかける。


「もしかしたら、親が戻ってくるかもしれないし、そうじゃなくても、この環境で卵は生き延びたんだ。下手に動かさないほうが良いと思う。気になるなら、ここに様子を見に来よう」

卵を守るための提案に、セレナは嬉しそうに笑うと頷いた。



それから僕らは、力を合わせて慎重に入り口を隠した。

土魔法で、入り口付近が崩れてこない様に固定し、不自然にならない様に木々や草を生やして隠すと、最後に隠匿と認識阻害の闇魔法をかければ出来上がりだ。


この時点で、僕は魔力切れを起こしかけ座り込む。

慌ててセレナが回復の魔法をかけてくれた。

ちなみに、僕は土・風・闇の魔法が使え、セレナはなんと全属性に適性がある。ただし、セレナに適性試験が施される事はなかったので、これ2人の秘密だ。


なぜ分かったかといえば、魔法の訓練を受けている僕を羨ましがったセレナに、昔使われていた簡易の測定方法を試してみた結果だ。


大人達に報告することも考えたが、その頃には2人共すっかり周りの大人達に不信感しか持っていなかった為、相談の上黙っていることに決めた。


その後は、本に載っていた方法を試したり、僕が習ったことを教えたりしてコソコソ魔法を練習し修得してきた。

ちなみに、失敗してケガこそ無かったものの、服はボロボロ体はドロドロになった事もあったのに1度も気付かれなかった事で、いかに周りの大人達が僕達に関心が無いかが分かるというものだ。


滅多に人が来ないとはいえ、万が一があっても困る。

セレナがたまに暴走する為、すっかり上達した僕の闇魔法は、上手に洞穴の存在を押し隠していた。

セレナと僕はすっかり馴染んでしまった共犯者の笑みを交わすと、必要なものを取りに城へと戻ることにした。


こうして、僕達は新たな秘密と秘密基地を手に入れる。

ぼくが11歳、セレナが7歳の春だった。




あれから、3年の月日が流れた。

卵は相変わらず、卵のままだった。

時たま点滅するものの一向に変化しない状況に飽き始めた僕と裏腹に、セレナは相変わらず熱心だった。


僕はその頃には将来の為に正式に騎士の訓練を受け始めていた為、1人の時間を持て余したセレナの情熱が全てそちらに注がれている様だった。


時間の許す限り洞窟にこもり、話しかける。抱きしめて温める。あったかいタオルで暖めてみる。柔らかい布や綿で包んでみる。


思いつく限りの方法を試すが、どうもうまくいかないらしい。

……お湯につけようとした時は全力で止めた。危うく温泉卵だ。


古今東西の文献を攫っても、稀に雛鳥は観察された記述はあっても、卵を温めている所が観測された事は無いらしい。


行き詰まっている状況を打開したのは、やっぱりセレナの思いつきだった。

「火喰鳥って、火属性の生き物だよね。じゃぁ、火属性の魔力を与えたらどうかな?」


その頃には、だいぶセレナの魔力操作も上達していたし、多分大丈夫だろうと実験に踏みきる。

まず、火の魔力を練り上げ、それを少しずつゆっくりと卵に注いでみたのだ。

緊張の面持ちでセレナが魔力を操作する。

僕は火属性を持ってい無いから、セレナが頑張るしか無いのだ。


慎重に、慎重に、初期魔法の1回分くらいを注ぎ終わった時、変化は起こった。

今までの微かな光り方と違い、卵が1度、強い光を放ったのだ。


成功だ。

少なくとも、一歩前進だ。

3年目にしてようやく、だが。


確かな手応えを感じたのか、セレナは、その日から、せっせと卵に魔力を注ぎ続け、卵は少しずつ大きくなっていった。





そうして、2年が過ぎた頃、遂にその日はきた。


もはや、惰性に近くなった魔力を注ぐ作業。

すっかり慣れて、今や僕との会話の片手間に行えるようになったそれを、本日の分、とばかりに行っていた時、唐突にピシッと音がした。


持ち込んだティーセットでお茶をしながら会話をしていた僕達は、聞きなれない音に固まった後、ゆっくりと卵を振り返った。


「ヒビが入ってる」

緊張の為か、セレナが囁いた。

セレナの向かいに座っていた僕も目は釘ずけのまま、ゆっくりと近ずいていく。


息をするのも憚れるような緊張感の中、卵の中で何かが動く気配がして、もう一筋ヒビが入った。


見つめる視線の中、卵はゆっくりとその形を崩していった。

まず見えたのは黒いクチバシ。

セレナが息を飲む。

1度クチバシが引っ込み、次に飛び出したのはなぜか足。鷹のそれに似た形は、これまた真っ黒だった。

ゲシゲシと動き、卵の殻を盛大に破壊すると再び足が引っ込み、……そして。

「ピイ!」

黒い頭がピョコンと飛び出した。


2人と1羽の視線が交差する。

それは、黒い瞳に黒い羽を持った雛だった。


しばしの沈黙の後、雛はモソモソと殻の中から身をよじるように這い出してきた。

まだ、うまく体を動かせ無いらしく、もぞもぞとした動きはひどく不器用な感じだが、それがなんだか可愛かった。


どうにか殻の中から全身を出すと、そこで疲れたのかべちゃりと潰れた。

気のせいか潤んだ瞳がこっちをじっと見つめている。


助けてよぅ、とでも言いたげな視線に先に我に返ったのは僕で、とりあえずまだ濡れている羽毛を風魔法のドライで乾かす。


ふわりと風が優しく通り過ぎた後、乾いてふわふわになった姿がそこにあった。

「ピィピィ」

ありがとうとでも言うように鳴く雛は、まるでひよこの様な姿で、特徴の様に頭のてっぺんにピョコンと長い飾り毛が飛び出していた。


「……かわいい」

ポツリと呟かれた言葉はセレナの口から漏れたものだったけど、全くの同意だった。

全身真っ黒でフワフワで、つぶらな瞳はキラキラと輝いていた。


そぅと、セレナが両手を伸ばすと雛は、そうするのが当然と言う様に掌の上によじ登った。

「あなたはだぁれ?」

「ピィピィピィ」

セレナの問いにまるで答える様に雛が鳴くが、もちろん、鳥の言葉など、僕もセレナも分かるわけがない。


困った様に顔を見合わせていると、再び雛がべちゃりと潰れた。

「……鳥の雛って何食べるんだっけ?」

「種類によって違ったんじゃないか?」

尋ねられて、首をかしげる。

そもそも、コレはなんの雛なんだ?


「……ピュゥ」

哀しげな鳴き声にふと思いついた。

「魔力与えたら孵ったんだし、とりあえず、同じ物与えてみれば良いんじゃないか?」

「そっか」


雛を卵を置いていた台の上に戻し、セレナが指先に火の魔力をともした途端、その赤い塊に雛がパクンと食いついた。


あっけにとられて見つめる先で、雛はもぐもぐと口を動かした後、ゴクンと呑み込んだ。

そして、ピィピィと口を開けて激しく鳴き出す。

訳すならば「もっとちょうだい」だろう。


勢いに押されて、セレナが再び魔力を灯せば、飛びつく雛。

それを5回ほど繰り返せば満足したのか静かになった雛は、よろよろと元卵の方に戻っていくと、バラバラになった殻を足やクチバシでけ散らし、卵が安定する様に丸く置いていたタオルにうずもる様にして目を閉じた。


「火の魔力、喰べたな」

「……色は黒で違うけど、形は前に本で見た火喰鳥の雛、ソックリなんだけど」

どうやら、僕たちはとんでもないものを孵してしまったようだ。


「「どうする」」

顔を見合わせて、再び雛に目をおとす。

黒い火喰鳥の雛は、困惑する僕らの前で平和な眠りを貪っていた。




結局、僕達は沈黙を守る事にした。


紅い筈の火喰鳥。


なぜか黒く生まれついてしまった彼に、自分達を重ねて同情してしまった感は否めない。

出来損ないと貶められるか、消えた守護獣の再来と崇められるか、可能性は半々だった。


見つかれば、どちらにしろ面倒な事になるのは目に見えていたし、足掛け5年も見守ってきた情もある。

何より刷り込みなのだろうが、すっかり僕らに懐いて後をついてこようとするこの小さな生き物にすっかり夢中だった。


だから、僕もセレナも見えていた筈の問題に目を瞑ってしまったのだ。

いつもの2人だけの小さな秘密だと錯覚して……。

その事を、死ぬ程後悔する日が来るなんて、思いもしないで……。





「ヒューイ、こっちよ」

セレナが呼ぶとヒューイと名付けられた火喰鳥は、必死に羽を羽ばたかせて高い木の枝から飛んだ。

ほとんど《落ちる》に近かったけど、ヒューイはどうにか10メートル程の距離を飛んでみせた。


「凄いわ、ヒューイ!やればできるじゃない!!」

腕の中に飛び込んできたヒューイを、セレナが手放しで褒めちぎっているのを、僕は木の上から見下ろして笑っていた。


ヒューイが卵から孵ってから1年が経とうとしていた。

すっかり大きくなったヒューイは大鷲程の大きさになり、現在空を飛ぶための特訓中なのだ。


人に育てられた鳥が飛び方を知らないように、ヒューイもいつまでたっても飛ぼうとはしなかった。

移動は歩くか、人の肩や頭にのっかる、である。

小さい頃は良かったが、最近は流石に首や肩がおかしくなってきた。

これではいけないと訓練を始めて1ヶ月。

どうにか高所からなら羽ばたきとともに滑り落ちる事は出来るようになった。


『どうだ、ユリウス!凄いだろう!!』

突然頭の中に声が響いて、顔をしかめる。

「そうだな。後は、地面から自力で飛べたら完璧だな」

セレナの腕の中からドヤ顔で見上げてくるヒューにわざと意地悪く返すと、目に見えてしょんぼりした。

セレナが、咎めるような目で睨んでくる。


生後半年くらいから、ヒューは念話が使えるようになった。

その頃には、すっかり守護獣について詳しくなっていたセレナは、あまり驚く事もなく受け入れていた。


「まぁ、1ヶ月でこれだけ出来れば大丈夫だろう。後1〜2ヶ月もすれば飛べるようになってるだろ」

セレナに睨まれ、しょうがなくフォローを入れる。

「そうよ。大きくなったら私も乗せてね?」

優しく背中を撫でられ、ヒューイは気持ちよさそうに目を細めた。


『もちろんだよ、セレナ。一緒にお空の散歩、するんだもんね』


成獣になれば、人を乗せる事ができるほど大きくなるらしい。

セレナは、空を飛ぶ練習を嫌がるヒューイに巧みに空への憧れを語り、上手くやる気にさせた。


まぁ、やる気になったのはいい事だ。


そんな事を思いながら、セレナの元に木から降りて向かっていた僕は、すっかり気が抜けていたんだとおもう。

卵を見つけた時の警戒心は、平和に過ぎた年月の中ですっかり薄れていたんだ。


だけど、少し考えればわかる事だった。

洞窟の中で静かにしていた時と、今は違う。

いくら、人気のない森だからって、まるっきり誰もこない訳じゃない。


だけど……。

僕は、ヒューイを抱えて洞窟の方に向かう僕たちを見つめる瞳があるなんて、気づきもしなかった。




いつも通り森に向かい、1人で退屈しながらも大人しく待っていたヒューイをひとしきり構った後、飛ぶ練習をしようと外に出た僕たちを待っていたのは、ぐるりと出口を囲む兵士と近衛隊隊長。

つまり、僕の父親だった。


「その黒い鳥について聞きたい事がございます。どうぞ、こちらへ」

久しぶりに顔を合わせた父は相変わらずの厳つい顔で、言葉少なにセレナを促した。


予想外の展開に固まっていた僕達は、どうするすべも無く促されるまま城に向かって歩くしか無かった。


『セレナ?ユリウス?』

セレナの腕に大人しく抱かれたまま、だけど、僕達の不安を感じたらしいヒューイが僕達の名を呼んだ。


安心させるようにセレナがそっとその翼を撫で、僕に目配せをする。

言いたい事をなんと無く察して、僕も周りに気づかれないように微かに頷いた。


万が一見つかったら。

かつてその事を話し合った事があったのだ。


僕達の作戦はしらを切り通す事。

何を聞かれても、鷹か何かの変種だと思っていたと言い切るのだ。


セレナが調べるのに苦労した通り、火喰い鳥の雛の記述は少ないし、何よりヒューイは真っ黒だ。

実物を見た事がない子供が気づか無くとも不自然ではない。


ヒューイにも、他の人に念話を消して使わないように言い含めていた。

幼い為か、まだ魔力を扱う事も出来ないヒューイは、ただの鳥と言っても充分通じるはずだ。



だけど、希望はあっさりと打ち砕かれる。

僕達は知らなかった。


かつて、火喰い鳥の管理を任されていた一族がいた事も。

当然、その一族には火喰い鳥の生態がしっかりと伝承されていた事も。



結果からいえば、僕達は無罪放免になった。

火喰い鳥の生態は秘匿中の秘匿で、ただの子供が気づかないのは当たり前。

隠れて飼っていた点は咎められたが、裏庭で仔犬を隠していたのと何も変わらないレベルの扱いだった。


そしてヒューイは、最初の懸念通り、大人達に取り上げられた。


どこに居るのか。

会わせて欲しいと訴えても、あっさりと切り捨てられる。


ヒューイは、大切な存在で国の宝だ。

王族とはいえ、何の責任も果たしていない姫に教えられる事ではない。


遠回しに丁寧に、そう言われてしまえば、セレナにはどうしようも無かった。


部屋にこもり、泣きじゃくるセレナに僕は唇をかんだ。

どうして、もっと慎重に動かなかったのか。

見つかれば、こうなってしまうのは分かっていたはずなのに……。



「ヒューイ、今どこにいるのかしら」

3日が過ぎた頃、目を赤く腫らしたセレナがポツリとつぶやいた。


「なんで3日も経つのになんの沙汰も無いの?幼くても守護獣が見つかったのよ。たった一羽だとしても、今のこの国には充分に希望の光になるはず。

民の心が離れているのに焦っている王族なら守護獣が戻ってきたのだと、大々的に宣伝してもおかしく無いのに……」


言葉に出す事で不安が募ってきたのか、セレナの顔色がどんどん悪くなる。


「ヒューイはチビでも黒くても確かに火喰い鳥なんだから、そう、悪い扱いを受けているわけが無いよ」

慰めの言葉は口にしてしまえば、ひどく空々しく響いた。


最後にヒューイを見た場面が浮かぶ。

ヒューイをセレナから受け取った一見温和な神官のような姿の男の眼は、何の感情も映さず冴え冴えと凍りついていた。


「お願い、ユリウス。ヒューイを探して。一目見れれば。大切にされているのを確認できれば、きっと納得できるから」


涙目で縋り付かれ、ため息を押し殺す。

きっと、危険だと僕が諌めたところで、セレナは絶対に諦め無い。

1人でどうにかしようとするのが眼に見えていた。


「どうにか探りを入れてみる。だから、セレナは絶対に動か無いって約束してくれ」

言い含め、どうにか約束を取り付けると僕はセレナのそばを離れた。


心当たりなんかひとつしか無い。

しかも、その心当たりは、下手な小細工なんか通じる相手でもなかった。

悪手だと分かっていても、下手な探りを入れるより、きっとマシなはず。


根拠は無いし、それらしい態度もほとんど無いが、あの人が、セレナの境遇に同情しているのは確かだ。

未だに、僕がセレナのそばに居るのが何よりの証拠だ。


セレナの側につく為に幼い頃から努力してきた僕は、自分で言うのもなんだが、騎士団の中でもトップクラスに入る力を持っている。


もっとも、自国に閉じ籠り、険しい雪山のおかげで他国の侵略を心配しなくて良い状態が30年近く続けば、騎士団もお飾りに成り下がる。

僕が飛び抜けて見えるのは、だらけた周りのおかげであるのは充分に理解しているから、天狗になることはなかった。


なぜなら、父にはともかく、兄達にすら足元にも及ば無いのだ。

自宅で稽古をつけられるたびにボロボロになっていれば、天狗になどなる余地も無い。


足早に家路を辿れば、珍しく父はともかく、兄達まで家にいた。

双子の兄は揃って第1皇太子の側近をしているのだ。忙しいらしく、滅多に家に帰ってこない。


「ご主人様がお部屋にお呼びです」

家の玄関をくぐれば、執事に速攻で捕まった。願っても無いと、足早に父の部屋に向かう。


「ずいぶんと面倒を起こしてくれたな」

部屋に入れば、なぜかそこにいた兄達に父より先に声をかけられた。

「らしく無い失態だったね。ユーリ」

両脇から同じ声でそれぞれに咎められ眉を寄せる。


「なぜいらっしゃるんですか」

10歳違う兄達は、家族というより遠いいとこという感覚だ。しかも枕詞に《苦手な》がつく。


「ずいぶんと生意気な口を利くようになったものだな。お前の尻拭いに奔走してやってるっていうのに」

「本当に。昔は兄様遊んで〜って、あんなに可愛かったというのに」


生意気、と両脇から小突かれる。

それを、首を振って逃れると父につめよった。


「お聞きしたい事があります」

「……それは、あの黒い鳥の事か?」

返され、頷く。

「お前達は、やっかいな者達を起こしてしまったぞ。可哀想に、あの火喰い鳥は文字通り食い物にされるだろうな」


そうして聞かされた火喰い鳥の真実は、おぞましい物だった。



蒼ざめた顔のまま、セレナの元へ急ぐ。

まだ、迷いはあったが、このままではヒューイの命が危うい事は分かっていた。


ノックもソコソコに入り込んだセレナの部屋は薄暗かった。

「セレナ?」

カーテンを閉め切った部屋は火の気がなく寒々しい。

とりあえず、燭台に火をつければ、涙に濡れたセレナの顔が浮かび上がった。


「ユリウスが出て行った後、初老の女性が訪ねてきたの。そうして、教えてくれたわ。火喰い鳥達がどうしてこの国から去っていったかを。おそらく、ヒューイは最初の犠牲者の残した卵だろうって言ってた」


セレナの頬に新たな涙が伝った。


「最初に私達が立てた推測は当たってたのよ。何かが起こって帰ってこれなかった親鳥。その《何か》が、人が……彼女が信頼してた《人が》起こした物だった!」


初老の女性がセレナに語った事は、僕が父から聞いた話とほぼ同じだった。



始まりは、その火喰い鳥の親切だった。


守護契約をしていた女性が難産で死にかけた。生まれたばかりで母をなくす赤子と、子を残して死ななければなら無い自分のパートナーを哀れんだその火喰い鳥は、死にかけた女に自分の血をあたえた。


そして、女は命を取り留めたのだ。

火喰い鳥の血には、瀕死の命を復活させるほどの力が宿っていた。

そればかりか、血を取り込む事で女の魔力量は増大にアップした。

女は我が子を胸に喜びに涙し、自らを救ってくれた守護獣に感謝を捧げたという。


そこで終われば美しい物語で終わったのに。

欲に駆られた一部の物達が密やかに守護獣に手をかけたのだ。


最初は、年をとり穏やかに暮らす火喰い鳥が議性になったらしい。

次は、ケガをした個体が。

だけど、不自然に仲間が消えれば火喰い鳥達だって疑いを持つ。相手は、唯の獣ではなく、高い知性を持つ神獣なのだ。


裏切りに気づいた守護獣達は、それでも人と争う事はせず、かといってそばにいる事も出来ないとこの国を去った。


最初の数年は、守護獣から奪った力で国も安定していたらしい。しかし、血の力は有限だった。要は、一種の栄養剤みたいな物だったのだろう。

徐々に魔力はおち、国は冷え込んでいった。


「守護獣を害したのは王族だったの。最初の女性は兄の母。第二皇太子妃だった。王妃から話を聞いた当時の父はやってはいけない事に手を出してしまった。王となるために、絶対的な力を欲したのよ」


表情の無い青白い顔が淡々と言葉を紡ぐ。

ただその頬を涙だけがとめどなく溢れ、セレナの哀しみを伝えてきた。


「それでも自分の夫を愛していた彼女は口をつぐみ目をそらしたそうよ。自分の命を救ってくれた守護獣が殺されても、生まれたばかりの息子を守ることを選んだ。

だけど、また繰り返されようとする過去に耐えられなくなったそうよ。

彼女はこれをくれたわ」


そういうと、セレナは地図と鍵をみせた。

「ヒューイはここにいる。……ここで、死と向き合っている。

私が見つけたばっかりに、あの子は死にかけてるの!」

最後は、叫ぶようにそういうと、セレナはその場に泣き崩れた。


父と慕うにはあまりにも遠い存在。

だけど、確かに血の繋がった父親が国の崩壊のキッカケだった。

そして今。

今度は自分の大切なモノに手をかけようとしている。


僕はたまらずセレナを力一杯抱きしめた。

そうしないと、セレナがきえてしまいそうで。


「……助けに行かなきゃ」

「今はまだダメだ」

涙の残った瞳でふらりと立ち上がろうとするセレナを僕は慌てて押し留めた。


「なんで!」

「闇雲に突撃したって無駄だ。相手はこの国の王なんだ」

静かに言葉を返す僕にセレナが唇を噛む。

本当はセレナだって分かってるんだ。


慰めるように軽く頭を撫でてから、ソファーへと誘導してお茶を入れる。カップを握らせるとあえて隣へ座った。


「明日皇太子殿下は側近を連れて国内視察に出かけることになった。当然、僕の兄達もついて行く」

「ユリウス、何を言って……」


突然の話題に意味がわからないと目を白黒させるセレナの唇を指で押さえて黙らせる。

「そして、父は今朝方から急な体調不良で倒れて領地に静養に戻った。さっき、出立したよ」

「……それって」


「僕も同じような話を聞いてきたんだ。少し、食い違いはあるけど。


当時、父はまだ若くて、武者修行の旅に出てたそうだ。

戻った時には、守護獣達は去った後で、嫌な感じがして一緒にいた自分の守護獣を喧嘩別れにしたことにして逃がしたらしい。

父と父の守護獣は喧嘩友達みたいな関係だったから、周囲もさほど違和感を持たなかったみたいだ。


こっそり連絡を取り合って事実を把握した後も、父はこの国を出る事が出来なかった。自分の領民を愛していたし、母が子を宿したばかりだったから。


いつか、王が目を覚ましてくれる事を願っていたんだと思う。

力及ばず、すまなかった、と」


その事さえ無ければ、そう悪い王では無かったのだ。

現に、国が冷え込んだ後でもどうにか持っているのは彼の執政のおかげでもある。

かの王に、どうしても王になりたかった理由があったのも理解している。

だけど、土台が間違っていればその上にまともな家が建つわけがないのだ。


王は、やり方を間違えた。

間違いを正す事も無かったし、周りも諌める事が出来なかった。


父の背中を思い出す。

初めて、小さく見えた。


「皇太子殿下も真実を知って心を痛めてる。自分と母の所為だと。

今回、かなり多くの手勢を連れて行ってくれるから、城の警備は手薄になるはずだ。

父も、自分の部下を連れて行ってくれたしね。明日なら、きっと隙をつける」


呆然とした表情で話を聞いていたセレナがキュッと僕の袖口を握りしめた。

「………いいの?」


震える声に首をかしげる。

「だって、王のものを盗んで逃げるんだよ?言い訳なんて出来ない。捕まったらきっと殺される。

逃げられたとしても、もう2度とこの国には帰れなくなるんだよ?!」


セレナの言葉に、そんな場合じゃないと分かっているのに僕はつい笑ってしまった。


「笑い事じゃ無い!」

「笑い事だよ、セレナ」

怒るセレナに、僕はそう言い返すとセレナを立たせ、その前にひざまづいた。


「忘れたの?セレナ。こうやって僕は君に誓ったんだ。僕が剣を捧げたのは国でも王でも無い」

息を飲むセレナを見上げながら、そっとその華奢な手を捉えくちづけた。

「僕の忠誠も命も、君のものだ。セレナ」





決行は深夜。

僕の闇魔法が1番使いやすくなる時間。しかも、今夜は新月だ。


渡された地図も鍵も本物で、僕たちはたやすくヒューイの元にたどり着く事ができた。

命を保つ事ができるギリギリまで血を抜かれたヒューイは自分では動く事ができなかったから、カバンに入れてセレナが担いだ。

目指すは北の霊山ランスレイ。

父のパートナーだった守護獣が迎えに来てくれるらしい。


誤算だったのは、ヒューイの血を飲んだのは王だけでは無かったのだという事。

追っ手の中にいた魔術師の火は、僕の風とは相性最悪だった。


それでも、どうにか山に入り後少しで迎えの場所にたどり着く時に、総攻撃を受けた。


セレナとヒューイを先に行かせ、追っ手を一手に引き受けたまでは良かったのだけど。


相手の魔術師に魔力の量にものを言わせて、兵士みんなに身体強化をかけまくられた。

一人一人の技量はたいした事なくても、10人集まれば立派に脅威になる。


嫌な目つきしてると思ったら、大当たりだった。

挙句に、自分に剣が届きそうになったら最後の力で一人だけ転移して逃げていく、とか、本当に最悪だ。

あいつを仕留められなかったのも、心残りだな……。



ため息をつこうとして、喉の奥に何かが込み上げできて咳き込めば、雪の上に紅い花が咲いた。


その色に火喰い鳥を思い出し、ヒューイの事を思う。

黒い火喰い鳥。

僕の代わりにセレナのそばに居てくれるかな………。


その時、青空を遮るように視界を紅が埋め尽くした。

「ユリウス!!」

愛しい声が聞こえる。

だけど、僕にはもう、指一本動かす力も無かった。


霞む視界にセレナの顔が写り込む。

あぁ、最後に会えて良かった。なのに、また、泣いてるの?


泣かしているのは自分だと気付き、何もできないことに憤りを感じる。

こんな所で死ぬなんてイヤだ。


『死にたく無いか?小僧』

その時、頭の中に声が響いた。

ヒューイのものとは違う、太く低い声。


さっき、視界を埋めた紅の持ち主。

『1つだけ方法はあるぞ?』

ささやくのは天の助けが、それとも悪魔か。この命が助かるならどっちでも良い気がした。ポイッと感覚の薄い胸の上に何かが放り投げられた。


「ピィ……」

かすれた小さな声。

消耗しすぎて、念話を使う力すら残って無いのだろう。

それは、ぐったりとしたヒューイだった。


『そのままなら2人とも助から無い。どちらも血を流しすぎた。だが、2人が1つになるなら生きることは可能だ』


意味がわから無い。

ヒューイも同じ思いだったのだろう。火喰い鳥に向かって尋ねるように小さな声で鳴いた。


『魂を混ぜるんだ。願いが同じなら、上手くいくだろうよ。もっとも人の形になるか鳥になるかは知らん。ま、どっちでも似たようなものだろう』


他人事だと思って適当だな。

昔からこの調子なら真面目で融通がきか無い父と喧嘩ばかりだったというのも頷ける。


ヒューイと見つめ合う。

僕の願いは1つ。

ヒューイはどうだろう?

一緒だと、いいな。


ヒューイが同意するようにピィ、と鳴いた。


『おい、娘。こいつらにもう、その力は無いだろう。お前がやれ。そこの剣で2人の心の臓を貫ぬいて、血を混ぜるんだ』


泣きながら僕の名を呼んでいたセレナが、勢いよく火喰い鳥を振り返った。


『泣いてる暇も、迷ってる暇も無いぞ。心の臓が血を全て失えばアウトだ』


無情な言葉に蒼ざめたセレナが僕達を見る。

もう一度ヒューイと目を合わせると、僕は最後の力で微笑み唇を動かす。

『君のものだ』


ヒューイも、何か伝えたのが雰囲気で分かる。唇をかんだセレナが僕の剣を手に立ち上がった。

振り上げられた剣がキラリと反射するのを最後に僕は目を閉じた。


最初に来たのは衝撃。次いで何かが流れ込んでくる感覚と共に体が燃えているように熱くなった。


これはヒューイだ。

火喰い鳥の魔力が僕に流れ込んで暴れている。

体が燃やし尽くされそうな感覚の中、僕は確かにヒューイを抱きしめた。

そう、思った時思考は白く焼き尽くされた。







数年後、永く閉ざされていた北の国が開かれ、北の国初の女王が起った。

荒れた氷の大地に緑を取り戻し善政を行った彼女を国民は『春の女王』と讃え慕った。


その傍には北の守護獣である火喰い鳥の気配をまとった黒髪黒眼の青年の姿が常にあったと言う。

















読んでくださってありがとうございました。

そのうちまとまったら、続きをかけたら良いなぁと企んでます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 守護獣の話、どれも面白かったです。ただ、続きを読みたいです。思わせぶりな終わり方、気になります。是非お願いします。
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