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初対面は和やかに

それから程なくして馬車が止まる。

窓から外を覗けば、見えたのは国境の関所。

その前に立つ大勢の兵士と、煌びやかな衣装を纏った1人の青年。

その背後には側近だろうか、同い年くらいの青年が控えている。

煌びやかな衣装を纏った青年は、輝く金の髪を靡かせながらゆっくりと馬車の前に立つと控えていた皇国の騎士に扉を開けるよう促す。

そして開いた扉へと手だけを差し出し、自身は右手を掲げ顔を伏せ、膝をついた。

ティアナはその出迎え方に多少驚いたものの、花嫁を迎える儀式だと捉えてその手にそっと自分の手を重ねてゆっくりと馬車から降りる。

地面に足をつけ、顔を上げると同時に青年が立ち上がる。

青年の空色のような綺麗な碧眼がティアナの姿を捉えると、少し面喰らったような顔をする。

ティアナは少し首を傾げつつも、御伽噺に出てくるような容姿の青年にほんの少しだけ頬を染めながら微笑んだ。


「クリスティアナ姫、でよろしいか?」

「はい。オーランド皇国第4皇女、クリスティアナ•ミュー•アディンセルです。」

「ご挨拶が遅れた。リュールタリア帝国第1王子、アリスター•シリル•クラレンスだ。

…あなたの夫となる。」

「お会いできて光栄です殿下。

これから末長くよろしくお願いします。」

「こちらこそ。」


アリスターはそう言って少しだけ口角を上げる。

ティアナはその笑顔でようやっと緊張が解れ、今度は満面の笑みを浮かべた。

その笑顔を見たアリスターは少し目を見開くと、優しく微笑を浮かべてティアナの手を自分の左腕に巻きつける。

そして耳元で小さく「とても綺麗だ」と囁いた。

ティアナは嬉しそうに微笑み、「殿下もとても素敵です」と返す。

2人は初めて会ったにも関わらず、それはそれは仲睦まじそうに微笑み合うと、ゆっくりと臣下が待つ方へと歩き出した。

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