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初対面は和やかに②

皇国から帝国までの距離はそれほど遠くない。

2つの国の間にあるいくつかの小国を抜けるために馬車で2時間も揺られれば着く距離である。


「ティアナ様、お飲物はいかがですか?

今日はいい天気ですので喉がお渇きになるでしょう?」

「…いいえ、大丈夫よ。

ありがとう、メアリ」

ティアナは短く答えて窓の外に視線を向ける。

メアリの言う通り、今日はやけに天気がいい。

神が祝福しているのだと随行している臣下たちはティアナを持て囃していたが、ティアナにとってはただの嫌がらせでしかなかった。


(望んでもない結婚を神が祝福?

そんなことあってたまるもんですか。)


もしそうなら結婚を止めるとか、そういう方法で祝福してほしいと切実に願うティアナだったが、ふと吹いた風にそれも無理そうだと諦めの溜息を吐いたのだった。

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