帝国と皇国
リュールタリア帝国とは、世界の大半を占める二大国の一つで、武に優れた王がその頂点に君臨することで長い間国を治めて領土を拡大し、大国にまで成長した軍事国家である。
一方、オーランド皇国は二大国の内の一つではあるが、軍事力はリュールタリアより劣り、皇帝も武には長けていない。
しかしオーランド皇国は世界で最初にできた国とされており、そのこともあり元から巨大な領土を持っていたため、二大国の一つとされているのである。
また、世界最初の国でるため、世の人々からは【始まりの国】または、【神の国】と呼ばれ、今もなお世界中から崇められているのである。
そんな二つの大国は、元は争いなどしていなかった。
しかし、リュールタリア帝国の今の王より四代前の王が領土を拡大するために各国に戦争を仕掛け、次々と国を併合していったために、やむなくオーランド皇国が領土を守るために対立することになり、その争いは長い間続いていた。
しかし、今の帝国の王と皇国の皇帝が即位して間もない頃、2人が行ったのは両国の争う火種となっていた小国の【ブルーテニアン王国】に赴き、そこで和平条約を結ぶことだった。
2人の王はこれ以上領土を拡大することも、国民を無闇に死なせることも望んでいない賢王であった。
そのため、2人ともが同じ考えを持ちブルーテニアンに向かい和平を結ぶこととなったのだが、2人の大勢の臣下たちはそれを良しとはせず、いつ裏切られるか分からないと進言した。
それを受けて2人は話し合い、自分達の子どもを結婚することで和平の証とすることを決め、国に帰っていったのである。
これがリュールタリア帝国とオーランド皇国の政略結婚の流れである。