予備選挙だと思っていたら、忠誠を誓う儀式だった。
何を言っているか分からないでしょうけれど、起こった事をありのままに書きます。
女生徒が投票用紙を読み上げる。
黒板にはある男子生徒の名前が書かれ、得票数が正の字で記されている。
その数は39。
最後の一枚を開いて、女生徒が担任教師の方を見る。
「いいから読め。」
言われた通りに女生徒は投票用紙を読み上げる。
それは、既に黒板に書かれていたものとは違う名前だった。
「よし分かった。」
担任教師は少しの間考える素振りを見せた後、そう言って一人の生徒を指導室へと連れて行った。
最後の投票用紙に書かれていた名前も、指導室に連れて行かれた生徒の名前も164kです。
この事件は、中学2年の3学期に起こりました。
来年度の生徒会長を決める選挙にクラスとして誰を推すのかを決める時の事です。
この時に行われたのは、無記名投票です。
生徒会長候補としてふさわしいと思う人物の名を書いて投票するものです。
特に事前に候補者が上がっていた訳ではありません。誰を書いても良い事になっていました。
建前上はね?
でも実際には、ほとんど全ての生徒が特定の一人の名前を書いていたわけです。
その名前を仮に「マッカーサー」としましょうか。
指導室に連れて行かれた164kが何をされたかというと、
「お前はマッカーサー(仮)を支持出来ないと言うのか?」
と吊し上げられていました。2時間位延々と。
この時のクラスの空気も、
『164kは困った奴だ。何を考えているのか分からない。』
というものでした。
実際に164k自信にも、クラス全員がマッカーサー(仮)の名前を書くだろう事は読めていました。
だけど、何もしなくても満場一致で候補者が決まっていると言うのがすっごく嫌だったんです、164k的には。
だって、立候補を募る訳でもなく、推薦を受け付ける訳でもなく、いきなり
「予備選挙をするから生徒会長にふさわしいと思う人物の名を書いて投票しろ」
ですからね。
担任的には、
「俺のクラスはこんなに団結しているんだぞ、凄いだろう!」
みたいなのを周りに見せたかったのでしょう。
だけどね?
団結ってのは結果として成立するものであって、[予めそこにあるべきもの]ではないんですよ。
そこのところを履き違えている人がたくさんいるから、この世の中から争い事が無くならないんです。
それはともかく。
この話にはおかしなところがいっぱいあります。
もちろん、さっきも書いたように担任を含めてクラスでは164kが「困った人」扱いです。
でも、本当におかしいのはどっちでしょうか?
ここに記しただけでは判断材料が足りないと思いますので、164kを取り巻く当時の状況を含めて次回以降お話しして行きます。
余談ですが、当時の養護教諭と先日再開して中学時代の話をする機会がありました。
例の担任、周りからは相当「困った人だ」と思われていたようですよ?