幸せ自転車
憂鬱な授業は終わった。
あとは帰宅するだけだから、私はいつもの場所へ行く。
「…遅い」
「ごめんごめん。先生と話してて」
ぶすっつらの君に笑顔で応える。
「明日遅かったら置いて帰る」
「えー」
そう言ってもう何度だろうね?
そんな事言う癖に、君は毎日待っててくれる。
「ほら、早く乗れよ」
「はーい」
君の乗ってる自転車の後ろに乗る。
落とされない様にしっかりとつかまる。
「…あったかい」
「ん?」
「何でもない!」
…今の家は、地獄。
でも、こうして君と自転車に乗って帰れるのは幸せ。
「…なぁ」
「んー?」
「泣きたいんなら…泣いても、良いからな」
こうしてしっかり理解してくれてる君。
話の中身はいってこない。それも君の優しさ。
「…ありがと」
そう言って私は彼の背中に顔をうずめた。
彼の制服のシャツがぬれる。
あとで、ちゃんと、謝ろう。あとで、ちゃんと…。
自転車の進む速度が落ちたのは、きっと気のせいじゃないよね?
初投稿です…。
ちょっと楽しかったです(笑)
読んでいだだけたならとても嬉しいです(*^_^*)
家庭で暴力をうける少女。
それをしってるけど何もできない幼なじみの少年。
少しでも少年の優しさが伝わっていると嬉しいです(=゜ω゜)ノ