表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

第12話「焔火」

前回からの、あらすじ。

転生バーン!、周囲との軋轢ドーン!、家出バーン!、試験ドーン!、合格バーン!、再会ドーン!、

衝撃ドーン!、辞令バーン!、初陣ドーン!!、

親友戦死!!!、表彰ドーン!!、境界Go!!

以上!

 ハインツの、前線到着から実に2週間。

ようやく、フリードリヒ大公が、現場に到着した。

 その日の内に、前線司令部にて、作戦会議が開かれた。

ハインツも招集され、前線司令部にて、中隊長以上の指揮官が一堂に会する。


 フリードリヒ大公が、辺りを見渡すと、口を開く。


 「諸君、私は、フリードリヒ元帥だ。統合参謀本部の命令により、本戦線の指揮権を委譲された。

 国王たる、大元帥閣下は、本線線の現況を憂いておられる。

領邦とはいえ、陛下の臣民たることには変わらない。


 その証拠として、精鋭たる第36砲兵中隊が派遣された。

現場待機を命じられたのは、適切な運用を行う必要があったからだ。


 長10.5cm魔導砲の戦略性は、非常に高い。

国境に移動するだけで敵国を抑止し、その一撃で第四等級魔物ならば、10体以上を吹き飛ばすことが可能だ。


故に、大元帥閣下は、懐刀たる私に、指揮を命じられたのだ。


 それでは、大佐、現在の状況の報告を頼む。」


 フリーフェンは、頷くと、口を開く。


 「ハッ、畏まりました。」


 「前線は、知っての通り、逼迫した状況です。

物資は潤沢ですが、残念ながら、練度と火力が不足しています。

とは言え、これは、第36砲兵中隊の投入で解決できるでしょう。」


 ハインツは、頷き、答える。


 「全面的な砲撃支援を約束しよう。」


 「ありがとう、ハインツ大尉。

では、説明に戻ります。

練度の問題に関しては、現状では打つ手がありません。


 また、それ以上に、士気の低下が顕著であり、前線の兵士の間では、厭戦気分まで広がっております。

一部では、脱走兵と思しき行方不明者まで出始めており、早急な、指揮統制の回復が必要です。


 更に、未確認情報ではありますが、前線では、第三等級と思しき魔物の目撃情報や、痕跡が多く寄せられております。

しかし、敵が、予想以上に素早く、見つかる気配がありません。


 説明は以上です。」


 フリーフェンは、説明を終えると、口を閉ざす。

フリードリヒ大公は、頷き、口を開く。


 「説明ご苦労。では、作戦を説明する。


 先ず、斥候部隊を派遣し、第三等級魔物の位置を特定、

囮部隊により所定のキルゾーンに誘導し、

10門の長10.5cm魔導砲による全力砲撃と、

機関銃兵による一斉射撃により魔物を撃滅する。


 囮部隊は、150名程度を予定している。

何か質問はあるか?」


 レイエンスが、手を挙げ、口を開く。


 「質問よろしいでしょうか?」


 大公は頷く。


 「ありがとうございます。

先ほど、囮部隊、と申しましたが、それは本当に必要なのですか?


 何も、囮部隊を編成せずとも、長10.5cm魔導砲の射程と威力であれば、敵の存在が予想される地域を、丸ごと吹き飛ばすことが出来ると思うのですが。」


 大公は、答える。


 「疑問は最もだ、少佐。

理由は単純だ。魔導弾が弾着した地域には、魔力が残留する。

その量は微々たるものではあるが、何千、何万と砲撃されれば、それは高濃度の魔力溜まりへと変化する。


 そうなれば、スタンピードの発生、最悪の場合、第2等級魔物の出現もありうる。

以上の理由から、囮部隊を編成し、的確に砲撃することで、魔力濃度の上昇を最低限に抑える。


 説明は以上だ。」


 レイエンス、納得したように頷くと、口を開く。


 「分かりました。元帥閣下。」


 大公は、頷き、再び辺りを見廻すと、口を開く。


 「他に、何か質問があるものは?」


 「質問よろしいでしょうか?」


 ハインツが、口を開く。

大公が、促すように頷くと、ハインツは、質問する。


 「閣下、作戦に関しては了解したのですが、肝心の囮部隊の選定はどうするのでしょうか?

生半可な者を選ぶと、役目を果たす前に壊滅する危険性が高いと思うのですが。」


 大公は、頷くと、口を開く。


 「その通りだ、ハインツ大尉。だからこそ、志願制の形を取ろうと思う。

だが、現状の士気では、恐らくは、志願は集まらない。


 そこで、私が演説を行う。これにより、士気向上が叶えば、もはや、この作戦の成功は約束されたもの同然だ。」


 ハインツは頷くと、感心しながら答える。


 「分かりました。閣下、私からの質問は、以上です。」


 「分かった。他に質問があるものは?

…居ないか、では、本作戦を、『フォイアー作戦』も命名する。

 各員、作戦準備を開始せよ。

 奴等を、我がロイエンベルクの地から叩き出すぞ!」


 「「「「「ラボール!!!」」」」」


 この作戦会議まで、ハインツの心には、王国に対する不信感と、虚無感が広がっていた。


 だが、大公の、その鮮やかな手際を見ていると、あの時、特別軍事作戦を実行しなかった事に、心から安堵すると共に、大公への、尊敬の念が湧き起こり、ウォルフガングの戦死以来、乾ききっていたその心に、潤いが生まれつつあった。


 戦場の中でも、希望の灯火は、決して消えることは無い。

例え、それが、誰かの作為によるモノだとしても…

本日も、ご読了頂きありがとうございます。初めましての方は初めまして。チャデンシスと申します。現在、毎日投稿キャンペーン中なので、本作だけでなく、ほかの作品もよろしくお願いします!

オススメ∶境界戦線

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ