まっ白な綿毛に乗って
ひび割れる
タンポポの
地味でいて
黄色い咲き方
固くて脆い
アスファルトの上の
不文律
枯れてしまわぬように
降り注ぐ光と影
もしもこの世界に
完成があるのなら
何も生まれはしないから
風は
成熟を夢みる僕と綿毛を
遠くまで運んでゆく
次第に離れては
小さくなる過去が
種となったら
失った時を掘り
そっと植え込む
僕の知らない僕が
まっ白な綿毛に乗って
何かが欠けてる世界へ
ピタリと嵌る
記憶の破片を蒔く度に
また
芽生えては
咲く
咲いては
散る
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読んでくださりありがとうございました。