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10-4 神様がくれたチャンス その4

「久しぶりだな健太!元気にしてた?」

「僕は元気だよ。和樹は?」

「僕もバリバリだよ!……もちろん和秀達もね」


偶然というのもあるものなんだなぁ。

こうして同じ場所に遊びに来るなんて、そうあることではないんじゃないか?

同じスケート場に、和樹達が来ているとは思っていなかったから、本当に驚いた。


「あら貴方……この前遊園地に行った時には散々な扱いを受けていたって聞いたわよ?」

「うるせぇよ!余計なお世話だ!」


吉行に対して、新井さんがそう言う。

……何故だろうか。

新井さんって夕夏さんと同じ感じがするんだよなぁ……別にお金持ちでも何でもないというのに。


「あら久しぶりじゃない……和樹と同じの天然女殺し」

「何その言い方!?物凄く引っ掛かる部分があるんだけど!それに……」

「「和樹(健太)とだけは一緒にするな!」」

「……二人共自覚がない分、罪は重いわね」


美奈さんは何を言っているのだろうか?

僕にはさっぱり分からない。


「お兄ちゃん……少しは自覚しようよ」

「……何を?」

「…………先は長いよ、杏子ちゃん」

「…………そうだね」


何故か美咲の言葉に頷く杏子ちゃん。

……何が長いのかイマイチ理解することが出来ない。


「ところで話は一気に変わるんだが……どうしてあんなところでトリプルアクセルなんてやって見せたんだ?」


えっと……和秀だったよね。

和秀が、美奈さんにそう尋ねた。

すると美奈さんが、


「そこに氷があったから……それだけよ」

「本当のところを言うと、ノリでやった吉行が失敗して、美奈さんにやらせたというわけだよ」

「……こっちと同じようなことをしてますね」


人見知りをするらしい吉岡さんが、近衛さんの後ろに隠れながらそう言う。

というか……こっちと同じでノリでトリプルアクセルなんてやっていたのか。


「最初はイナバウワーから始まってね……」

「イナバウワー……」


あっちの方が一枚上手だった。


「そう……それじゃあ貴方たちのグループにも、こっちの海田と同じような扱いを受けている人がいる、と」

「……そうね。大体のグループに一人か二人は弄られる対象がいるものね」

「「弄られる対象って何だよ!?」」


凄く二人が似ているような気がするのは……僕の気のせいだろうか?


「あ、あの……」

「……ん?」


そんな中、僕に話しかけてきた女の子が一人。

確かこの子は……。


「須永さん……だよね?」

「覚えててくれたんだ……」

「忘れるわけないよ。遊園地でぬいぐるみをプレゼントした相手だしね」


前に遊園地に来たときに、僕達はゴーカートでレースをした。

その時に僕は……須永さんにぬいぐるみをプレゼントしたのだ。

もちろん須永さんにだけではなく、美咲や二ノ宮さんにもプレゼントしたのだが。


「さて……折角こうして集結したわけだし、ちっとばっかし面白いことしないか?」

「「「「え?」」」」


和秀からのいきなりの提案に、僕達は声を揃えて驚いたのだった。
















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