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5-2 Winning shot! その2

そして、とうとうその日がやってきた。

その日は日曜日だったので、僕はみんなを誘おうと思ったけど……やめた。

理由は、何となくだ。

誘っても良かったと思うけど、なんとなくやめた方がいいと思ったのだ。

……どうしてなのか、よく分からないけど。


「本当に来てくれたなんて……」

「約束したからにはね。それに、僕自身も来たかったから」

「木村君……」


尾崎さんが、何やら嬉しそうな表情を浮かべている。

……そんなに嬉しいことがあったのだろうか。


「ところで、試合はいつからなの?」

「確か……10時からだと思ったけど」

「それまで練習は?」

「試合前だから、特別練習することもないって言ってたけど……」

「それなら、僕とここで話をしない?」

「え?」


尾崎さんは、驚いたような表情を浮かべる。

当然だろう……僕からいきなりこんな提案が出されたのだから。

というか、提案した僕の方が、こんな提案をしたことに驚きを感じていた。


「じゃあ……ここでいいかな?」

「多分大丈夫だと思うけど……この学校の生徒じゃないから分からないけど」


僕達はベンチな座り、しばらく話をすることにした。

一応ここは一塁側の、大木高校側のベンチなのだが、幸か不幸か、誰もいなかった。

なので、尾崎さんの隣に座ることが出来た。

……一応制服を着ているけど、この学校の中では絶対に見ることが出来ないから、正直かなり目立つ。


「えっとまずは……今日尾崎さんはスタメン?」

「ううん。今日は代打での出場予定……スタメンは高二・三年生が中心よ」

「そっか……一年生は全員ベンチ?」

「そうよ」


なるほど……時期が時期だけに、上の学年の選手を鍛える作戦か。

どの学校も、恐らくそんな方式をとってるんだろうな。


「そういえば、尾崎さんってポジションは?」

「ライトよ。位置で言えば……確かイチローと同じポジションね」

「へぇ~」


ライトか……。

野球の知識に(この場合はソフトボールだけど)ついてあまり詳しくない僕でも、その言葉は知っている。

確か……ファーストの後ろの位置にいるのが、ライトだよね。


「そうね……そして、セカンドの後ろがセンターで」

「サードの後ろがレフトだよね」

「まぁ、そんな感じね」


野球は意外と奥が深いスポーツなんだよね……と、勝手に僕は頭の中で考えていた。


「そういえば、大貴とはどんな関係なの?」

「大貴?渡辺大貴のことよね?彼は中学の時の同級生よ。最も、仲はいいほうでも、悪いほうでもなかったけど」

「単なる知り合いって感じ?」

「そうね」


ふ~む。

深くも浅くもないって感じか……。


「他にももっといろいろ話をしようか」

「そうね」















その後も、僕達はいろんな話を続けた。

試合が始まる、10時が近くなるまで。
















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