内装を仕上げよう
さて、内装を仕上げなきゃ。
リビングからやって行こうかしら。
私は新居に入り――一番広いリビングダイニングへ向かった。
うん、いい出来ね。
さて、家具を作ろうかしら。
「クレアレ・マジヤ・クレアチョケイリケースト」
呪文を詠唱し、リビングに必要そうなものを想像して行く。
外観がレトロに出来たし……中もレトロにしよう。
そうね……レトロなソファにテレビ、レトロな布張りのテーブル……。
もふりん用に、フカフカな動物用ベッドも!
あ……今気づいたけれど、もふりんって何を食べるのかしら?
まあ、それは後で聞いてみるとして、だわ。
ダイニングは……黒い木材のテーブルとイスでいいわ。
うーん……思ったよりダイニングに置くものが無いわね。
って!! キッチン作ってないじゃない!
えっと、ダイニングの一部をキッチンにして……。
調味料入れと……こんなもんかしら。
次は、研究室!
ふー、なんとか自分の部屋まで内装を仕上げられたわ……。
そうね……研究室の横の庭で、研究しやすいように薬草を育てたいけど……種は買ってないわね。
私が研究室横の庭の前で唸っていると――もふりんが足首に触れた。
「やくそうのたねなら、もってるねぇ」
本当!? やったー!
「ほら、ほーい」
もふりんはそう言うと――手に持った何かを庭の方に飛ばした。
あれって薬草の種かしら!?
ちょ、私に渡してよ!
庭に埋めるつもり!? 届くわけ……。
しかし私の不安とは異なり――種が床に当たる音はしなかった。
えっえっ種はっ!?
私はあわてて庭に行く。
庭には、いくつか種が土に刺さっていた。
え……庭に届いたの?
まあ……植えれたし、良しとしましょう……。
にしても、すごい飛距離ね。
動物とは思えない……。
とうの本人……というか本動物は、可愛く「ミュ?」と一鳴き。
可愛いけど……飛距離に関しては可愛くない……。