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~気づいたらハーレムを築き上げていた~



………


同じ教室、同じ席について、いつもの調子で教科書を読む先生の声を、俺は窓から見える雲を眺めながらぼんやりと聞き流していた。


「じゃあここは…岡元!」


俺の名前が呼ばれた。教科書の35Pを開く。大して難しい問題でもない。


「正解だ!流石岡元。次のテストも安心だな!」


当然だろ、と心のなかで呟いた。この範囲は教科書が配られた時に全部覚えた。他の教科に関しても90点以下の答案を返却されたことはない。


「はぁ…」


思わずため息が漏れる。こんな簡単な範囲にいつまで時間をかけているのか。

周りのレベルに合わせなければならないのは分かっている。分かってはいるが腹が立ってくる。同じことを繰り返すような退屈な毎日にも、そんな退屈な日々に満足している周りの連中も。

そして何より…その中に居て妥協しながらこの空間に居る自分に一番腹が立っている。


「…まぁ、無駄なんだけど…」


いつの間にか声に出ていた



「………くん……岡元くん!」


呼ばれる声で目が覚めた。教室が騒がしい。

どうやら途中で寝てしまったようだ。


「もう休み時間終わっているよ?」


聞き覚えのある声が脳内に響く。顔を上げるとそこには見慣れた顔があった。


「授業中に寝ちゃだめだよ。ちゃんと聞かないと!」

「…うるせーな…おかあさ…………あっ」

「ん?今何て言ったの?」

「何も…」

「嘘、もう一度言ってよ」

「うるせぇ」

「えーと、なんだっけ、おかあさ…」

「うるさいうるさいうるさーい(イケボ)」


こいつは新宿凛、同じクラスになってからやたらと俺に絡んでくる鬱陶しい奴だ。


「そんな寝てばっかいると成績下がっちゃうよ」

「う(↑)っせ」

「現に私に数学負けてるし」

「黙れ」

「そんな言い方しなくてもいいのに」

「ほっとけよ。俺にかかわるな(凛、愛してる(心の声))」

「そんなのだからクラスの輪に入れないんだよ」

「別に最初からクラスの輪に入ろうとなんてしていない。そもそも俺はなれ合うために学校に来ているわけじゃないし寧ろ巻き込むなと思っている。後、おかあさ……新宿は俺に勝ったとか言ってたけど実際勝ってるのは数学だけですよね?平均点は何点ぐらい?俺は前の期末、97点くらいあったけど?」


気づけば、必死だった


「あと本来休憩時間って俺の自由にしていい時間だよね?分かる?『休憩』時間だよ?もし途中で起こされて睡眠不足になって次の学習パフォーマンスに影響が出たらどうしてくれるの??責任とれるの??謝罪を、要求する(決め台詞)」


物凄く早口だった


気づけばクラスメイトが俺たち二人を遠巻きに見ていた。凛も若干引いている。




俺は、教室を飛び出した。


主人公カッコいいですね……

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