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釣れるもの

作者: 南波英人
掲載日:2019/01/27

小さい頃から父親にくっついて覚えた釣りは最も長く続いている趣味の一つだ。


子供の頃は釣った魚の種類や大きさを友達に自慢するのが楽しかった。


社会人になり人間関係に疲れた今は釣った魚を自慢する友達もいない。


ただ、魚をどうやれば釣れるか考えて釣るだけだ。


でも、それがよかった。


最初は釣りスポットに行っていたがどんどんはまっていき、今では開拓されていない山奥にまで行くようになった。


人がいない山奥は最初は怖かったが慣れてしまえば魚との勝負にとても集中出来る場所だった。


はまるきっかけは違っても釣りに熱中している人は私以外にもいるもので誰もいないと思っていた山奥にも時々釣りをやっている人はいた。


釣りスポットとは違い出会っても会釈するだけだ。


関わりを持とうとする人は少ない。


次の日が休みだということもあり深夜に車をとばし先月見つけた山奥の釣りスポットにむかった。


少しだけ明るくなった頃にやっとその場所に着くと先客がいた。


初老の男性だった。


自分が最初に見つけた場所なのにと少し残念だったが、釣りを始めることにした。


面白いように魚が釣れた。それはどれも大きく、久しぶりに楽しむ事ができた。


時間を忘れるとはこのことをいうのだろう。


途中で昼食を取った記憶もあるがもう、夕方近くだった。


帰る準備をしていると最初にいた初老の男性もまだいる事に気づいた。


私と同じように熱中していていたのだろう。


いつもなら話しかけることなんてしなかったがなんだか同じ時間を共有した仲間のように感じ、話し掛けたくなった。


初老の男性も私が近づいて来るのが分かったのか笑みを浮かべた。


「いやぁ、ここは大変いい場所ですね」


「そうですな。私も先月見つけた時から通っていましてね。狙っていたのがやっと釣ることができました」


初老の男性のとなりには年季のある大きなクーラーボックスがあった。どうやら私が来るのに使った道より簡単に来れる道があるらしい。


仲良くしたほうが今後いい情報を教えてもらえるかも知れない。


会話が切れないようにと何が釣れたのかを聞いてみた。


「何かいいのが釣れましたか?」






初老の男性は満面の笑みを浮かべ答えた。


「おまえ」

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