ファンタジー世界での【旅路と水源】ついて考えたのさ~
ファンタジーな世界を主人公達が旅する情景描写はよく見ますけど、詳細には書かれていません。ここでは旅程と水源に着目して考察しましょう。
前提として、旅人は荷物を持って運動をしますから相応の水分を必要とします。因みに少人数のパーティーがテントとかを持ち歩くのも現実ではありませんので、数日程度の旅程ならばそこまで大荷物じゃなくても行けるかもですけど(;'∀')
ちょっと寄り道しますが、“テントがないならどうすんのさ~”と思っている皆さん!
テントって高級品かつ、嵩張ります。中世の一般的な旅人は恐らくワックス処理を施した外套で物陰に隠れるなりして風雨を凌いだと思われます。
で、話しは戻りますが、ある程度の荷物を背負って長距離を歩く事を想定した場合、必要な1日の水を0.8~1ℓと想定します。二~三日程度なら持てない事の無い水量ですね。
当時の革水筒は山羊や鹿の胃袋など、繋ぎ目が無く水漏れしない部位に革を張り付けて作成されているため、大きければ容量が2ℓ程ありますので、ちょうど良いかもしれません。
ですが、旅程が2週間とかだと14ℓの水が入った大型水筒7個をぶら下げて、一日三食として14日分の食料に相当する42食分の食料、カンテラ・コッフェル・火打石と火打金などの道具が一人単位で必要になります(;'∀')
想像してください、それだけ装備すれば最早行動できる状態では無いと!!
重量もさることながら嵩張りすぎて大変です。
なら馬を使えば良いと思ったあなた!!
彼らは大体30ℓの水を毎日必要とします、そして健康を維持しながら運べる荷物の上限が90㎏です。つまり、馬は自分の水を三日分程度しか運べないのです(笑)
さて色々と荷物が大変なことになると分かっていただけたでしょうか?
では、実際にはどうなっていたかというと……
“水源の無いところに村や町、都市は存在しない” から大丈夫なのです。
生物は水源が無いと生きられないので、必然的に水源に集落ができて町となり、やがて都市になるのです。現代社会の衛星写真でも分かる様に人工の光は水源と共にあります。
つまり、中心となる水源や支流から無理のない装備で移動できる範囲でしか、新しい村や町、都市が発生しないのです。そして、その場所を経由する事でより遠くへ旅する事ができるのです。
もっと厳密に言えば、街道自体が無理のない旅程を考えられて伸びていくため、そもそも川沿いに造られていたりします。若しくは数日の旅程で異なる水源に辿り着くように計算されている事もあります。
さらに個人単位ではなく軍隊単位で考えた場合、寧ろ河川沿いに進軍しないと無理がありますので、結果として防衛の要所となる経路上に砦や城が造られていくのです。それを迂回して水源の無い荒野をいく事が大きなリスクになる為、侵攻上無視できなくなる訳ですね。
そう考えると、旅程は水源と共にあり、過去から現在にいたるまで人間は水と共に生きているのですね~(*'▽')
余談ですが、自衛隊のレンジャー部隊は1ℓの水だけで40㎏の装備を背負って4日間の山中行軍をする訓練があるそうです。あまりに水が飲みたくて幻覚が見えてくるとか……
宜しければ使ってやってください('◇')ゞ