その【時刻】正確ですか? 中世は都市や町ごとに時差があるのさ~
今回はあまり読者様も筆者様も気にしていない中世世界における時間の概念っす。
脱進機を備えた機械式時計の原型が最初に西欧に現れたとする記録は996年、何でこんなにピンポイントで時期が分かるかと言えば、発明者がメジャーなのです。
当時はお祈りの時間を厳密に定める事がキリスト教内で重要とされ、優秀な時計職人は基本的に聖職者です。その中で後にローマ教皇シルウェステル2世として即位する僧侶にして技師のジェルベールが時計の原型を作ったわけです。
つまり、現在へと受け継がれる機械時計の発明者はローマ教皇という事に(;'∀')
そして、此処からさらに発展してちゃんとした機械式時計と呼べるものが出てくるのが、1350~1400年代辺りです。
それ以前は各都市や町ごとに様々な時計が採用されていましたので、隣町と自分の住む町では時差があったりするわけですね~(笑)
大体、銃器が表舞台に登場する時期と被りますので、もし作中に銃器があるならば、割と正確な待ち合せとかもできますけど、登場しない時代はアバウトな待ち合せとなります。
古くは太陽の位置と三角関数から時刻を割り出す日時計などもありますが、季節により太陽の運行が変化するため、時節の影響が強く出ます。強制的にサマータイムを採用される感じでしょうかね? いわゆる、ストーンヘンジなども日時計だったのではと言われています。
その次に出てきた時計は水時計ですね、基本は砂時計の水版です。流れる水量を調整して、目盛りを付けた容器への溜まり具合で経過時間を判断します。これの発展形で、流れる水を動力として遊星歯車機構を動かすギア付きの水時計も登場してきます。
この辺りは中国を初として温暖な気候の多い中東で発展していきました。何故なら、ヨーロッパの寒い土地では水が凍って、冬場に時間が分からなくなります……
そこで水の代わりに水銀を用いた水銀時計というものが出てくるわけです。これなら-39度の地域までで運用が可能ですから。
また、一部地域では火時計というものを使っていたようです。これは規格統一された蝋燭が燃え尽きるまでを時間経過の単位として扱うものですね。類似するもので植物油をしようしたランプが消えるまでを時間の単位とした地方もあったと記憶しています。
これら機械式以外の時計では気候条件や道具、機構の精度によりかなりの差が出ますから、中世の時間の流れは場所によりけりだったと愚考します。
宜しければ使ってやってください('◇')ゞ