【貴族や爵位の扱い】が適当な小説が多いので、調べてみたのです(*º▿º*)
貴族の爵位は基本五種類、五爵というものですね。 皆さんご存知の公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵です。
なお、王は貴族では無いので五爵に含まれず、その親族は公爵となりますので王家以外の最高位が侯爵です。
ただし、中世後期のイギリスだと多大な戦功があった人物を陞爵させて、公爵とする事もあったようです。 つまり、王家と関係ない公爵もありですので、安心してください。
逆に注意すべきなのは血統主義である点です。例えば “貴族の娘” と “平民の男” が結婚しても相手が学者であろうが、豪商であろうが王に勅免されない限りは平民のままです。
爵位や土地の継承は血統を以って成されるため、継承権を持つのは二人の子供という訳ですね。その場合でも平民の血が入っていれば、疎まれたのではないでしょうか?
因みに貴族同士の婚姻の場合、生まれてくる子は双方の家系に対する継承権を持つわけですが…… 安寧を願って交わされた政略的な国際結婚は100年、200年後に思わぬ継承戦争を引き起こすのです(-_-;)
近隣国家が弱っている時など、喧嘩を吹っ掛けるネタにされたりします。
その辺りの西洋史を語り出すと止まらなくなるので、話を爵位に戻して次の注意事項に言及すると… 貴族というのは当主一人を指すのであって、その家族は貴族ではありません。
あくまで貴族の身内という立場でしかないのですが、複数爵位を持つ上位貴族であれば嫡男などに下位の爵位を譲ることがあり、それなら嫡男君も立派な貴族です。
元々、領地貴族の副官にあたる子爵は文字通り、上位貴族が子に与えるための爵位として重用されたようですね。その観点から考えれば土地と爵位が密接に関係するヨーロッパでも、子爵や男爵という下位貴族は土地無しだった事例も多いと思われます。
上位貴族である公爵・侯爵・伯爵とは隔絶した大きな差があったのでしょう。よく調べられている作家さんなら、適切な区別をなされている印象があります。
あと、幾つかの物語に出てくる辺境伯は地方行政権を持つ侯爵相当の身分ですので、決して伯爵などではありません。独自の軍閥まで形成している猛者なら、貴族という区分を越える存在になります。
以上、爵位の話題でしたが…… 少しおまけを(*º▿º*)
中世には準貴族の地位(準男爵・士爵)もありますけど、両方とも平民です。準ずるだけで貴族ではありませんし、貴族院の議席も当然ありません。
準男爵は戦費調達の折、商人や地主に献金させた見返りに与えた名誉的爵位に過ぎませんし、士爵は基本的にはナイトですからね。
一応、準男爵の名称は世襲可能ですが、士爵は当代限りです。
微に入り細を穿つ資料分析や、膨大な時間を投じて書かれている物語(੭ु ›ω‹)੭ु
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