人間は多分、マラソン以上の距離でチーターや馬に走り勝つ稀有な走破力を持つ生物です。
人間を霊長たらしめたのは全哺乳類の中でもトップクラスの走破力かもしれない……
ちょっと考えて欲しいのです。
マラソンの距離42㎞ほどを鍛えた男性なら3~4時間で踏破します。
そんな哺乳類が地球上にどれだけ存在するのでしょう?
最速の狩人チーターは時速100~120㎞を出せますけど、20~25秒が全力疾走の限界です。移動距離は800m前後くらいでしょうね…… 瞬発力の分だけ消費カロリーも凄まじく、体温調整機能の観点からも無理して長距離を走れば熱中症で死にます。
何せ、大半の動物は“汗”をかく機能が著しく低いか、元より無いですから。他生物から見たら無毛に等しい人間は数百万の汗腺を持つ、気化熱冷却を可能とした空前絶後の水冷式体温調節システムを保有しているのです。
結果、マラソン以上の距離を考えた場合、熱さと疲労で生死に関わるため、チーターは人間に勝てないと多くの生物学者が予想しています。
これは時速60~88㎞ほどで走る事ができる馬も同様です。競走馬の世界記録が芝1000mで約53秒ですけど、全力疾走できる限界の時間と距離でしょう。
恐らく、自然界に於いて1㎞疾走できれば狩る側も逃げる側も勝負が付くため、それ以上の距離を駆け抜ける能力は必要なかったのだと思います。
ただ、馬は汗腺を持っています。人には及ばなくても水冷式の体温調節ができるため、馬車などで長距離の移動にも使われていたのです。
なお、英国のウェールズで行われる著名な馬と人の35㎞走で馬に2分差で勝利した人もいますから、長距離になればなるほど人間が勝てる可能性が高くなると思われます。
結論を言えば、人間よりも長距離移動に向く陸上主体の生物なんて早々にいないのです。そもそも、二足歩行で両手が使える為、障害物をものともせず、延々と進み続けられる事自体が稀有でもあります。
その走破力を利して狩りを行っていたようで、古代では何日も大型の獲物をつけ回して仕留めたと言われている模様。
我々人間に合わせて長距離を移動できたのは狼くらいでしょうかね。
彼らは汗腺こそ未発達ですが、ベロを出して唾液の気化熱と荒い呼吸で体温調節していますし、タフな生物ですから普通に人間よりも走破力がありそうです。
言葉通り共に歩む事で人に慣れ、イヌという形に分化していったと現在では仮説が立てられている訳ですね。
ともあれ、全哺乳類の中でも特筆すべき長距離移動の能力で我々の祖先は脱アフリカを敢行し、世界のいたるところまで浸出して、霊長を名乗るに至ったのでした(*'▽')
そんな無駄に細かいところまで、意味不明なまでの時間を投じて書かれている拙作たち(*'▽')
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