うぉお~~、【ジャガイモ】じゃああっ!!
創作ネタで幅広く用いられる”ジャガイモ”の知識を放出(*'▽')
因みにサツマイモなど芋類は新大陸のアンデス原産です。
という訳で、1500年以前の西欧を意識した世界観でいきなり出てくると違和感がありますね……
最近、巷で銅像が襲撃されているコロンブスさんですが、1493年にスペインへ帰還しますので、その頃から新大陸で一般的だったジャガイモが伝播したと思われます。
ただ、現存する西洋の記録でジャガイモが出てくるのは1536年です。新大陸で見つけた珍しい物として出てきます。
つまり、新大陸発見から30年以上、ジャガイモは一般的に知られていなかった訳ですね。ここら辺は資料が無いので推測ですけど、少量は西欧に持ち込まれて枯らされたのでしょう。
大量に持ち込んだのは1575年のフランシス・ドレイク提督で、新大陸発見から80年以上経ってます。
しかし、ここで悲劇が!?
ジャガイモ自体、西洋で見たことある人なんて一握り、歴史家が提督の持ち込んだ作物を資料から”ジャガイモ”認定しましたけど…… サツマイモだったのさ、ヒャッハー(≧▽≦)
此処から長い間、イギリス人はサツマイモのことをジャガイモだと勘違いします。さりとて、ジャガイモの真価にいち早く気付いたのもイギリス人です。
コロンブス以降、ジャガイモが西欧に来たあと数年以上は紫の花を咲かせる観賞用植物で、食べ物と見做されませんでした。やがてチャレンジャーが食べたのでしょうが……芽に毒があります。
そして、ちゃんと加工された現代社会では知らない人もいますが、ジャガイモの皮にも十分なナス科の有毒物質ソラニンが含まれてます。
収穫後に直射日光を当ててしまうと段々緑色になり、到底食べられないくらい濃い毒を持つことになります。無知なまま食べた人々が酷い目に(=_=)
結果、”これは悪魔の作物だ、食べたら死ぬぞ!!” という噂が出回ります。多分、本当に人死にもでたのでしょうね……そこに乗っかったのが教会です。
天動説を否定されてしまうため、地動説に基づいた航海で発見された新大陸由来の産物に否定的でしたから。
実に伝播から約200年間、ジャガイモは人間の食べる物じゃないと言われて、家畜の餌に使われるのが主流になります。
この頃は生産量自体が余りないですけどね……
では、何故にイギリスで本格的な生産が行われたのか?
それは『飛んで〇玉』と同じ展開です。
”アイルランド人にはその辺の草でも食べさせておけ”というノリで貴族達が指示を出します。
家畜に使われる事も多いジャガイモを食べさせておけば、その分だけアイルランド人が消費する小麦の量が減りますから。徴収できる穀物量が増えると考えた訳です(-_-メ)
ところがどっこい、ジャガイモは普通に美味しかったというオチですね~ 気が付けばイギリス全土に他よりも早く普及していきます。
基本、イギリス人はジャガイモ好きなので勢い余ったのか、アダムスミスが国富論の中で、小麦の三倍の生産性があると記述してますが……彼は経済学者なので生物学的根拠に薄い気がします。
大体ですが、単位面積の収穫量は小麦の2倍強かと思います。
それでも凄い事ですけど!
更に二度芋、三度芋という言葉があるように、通常は春秋の年2回収穫ですけど、条件さえ合えば年3回の収穫も可能です。
確保した後は直射日光が当たらないように遮光して、ある程度の栄養を含んだ土壌に並べて涼しい場所に保管します。この方法だと常温で約半年は持つようです。
要するに土中に近い条件で保存すれば、それだけ長持ちする訳ですが、場合によっては芽が伸びてきますので、食べる前に切ってください。
因みにジャガイモに限らず、土中に実る野菜は鳥獣被害が少ないので物語でも使えますよ♪
なお、虫対策でジャガイモ畑に混植するならマリーゴールド辺りが良いと思います。
連作は出来ないので休耕地を作り、窒素固定で空気中から養分を得るマメ科植物を植えておきましょう。飼料にしても良し、そのまま土中に埋めて堆肥にもできます。
以上、ジャガイモのあれこれでした!!




