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光希と楓はフリーランスの模様です  作者: タチマチP
エピソード第1巻 -私の運命が225度変わる物語-
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第1話:序章

『今の時代は【フリーランス】という働き方をする人が増えている』


 こんな言葉をニュースで目にしたことはないだろうか?


 ――フリーランス


 それは、会社という一つの場所に留まることなく自由に仕事を選択し、自らの技術を持って、お金を稼ぐ人物のことを言う。

 仕事を入れる内容も、量も、そして休暇の調整も、自らの意志を持って選択することが出来る。

 サラリーマンと比較するならば、様々な点に相違がある。


 ――例えば職場


 フリーランスは現場で仕事をすることもあるけれど、大抵は自宅で作業をすることが多い。

 サラリーマンのように、毎日の通勤ラッシュに悩まされることが無いのは意外と強い。

 俺も昔は毎日一時間以上掛けて東京の電車を乗って通勤したことがあったけど、今思うと、とても無駄な時間を過ごしていたと強く感じている。

 特に面白くも無い場所へ行くのに、人生の一部を使用してしまうのは本当にもったいないと思う。


 通勤だけじゃない、他にもある。


 ――就業時間


 正社員は、一日八時間働かなくてはいけないという鉄の掟があるけれども、フリーランスの場合、契約条件にもよるが、成果物さえあげれば基本的に時間は自由と言える。

 朝の十時までゆっくりと睡眠を取り、その後、一気に任された仕事の作業をするということも出来るし、朝早くから仕事を始めて午後は自由に過ごすという選択も可能だったりする。

 要は、出すものさえ出せば、取引先に文句を言われることはない。


 フリーランスは、企業の求めるものを期間内に期待通り出すこと自体が根本的に求められているので、その身自体を求められることはないのだ。


 それに、最も重要なこと。


 ――報酬


 フリーランスというのは、社会的に技術がある個人という人材として会社が見ている。

 普通の社員が出来ないようなスペシャリスト性がある成果を出してくれるという期待から、通常よりも報酬を高めに出してくれる。

 それはもう、一ヶ月契約していたら、その会社の社員の数倍は余裕で貰えてしまう。

 よくフリーランスの広告に、毎月がボーナスだというキャッチフレーズがあるけれども、それはまさに現実と言える。


 俺の周りのフリーランス仲間を見ても、最新の携帯を持っていたり、車を買ったり、高い時計を買ったりと、随分ずいぶんと羽振りの良い人ばかりを見ている。


 いかに景気が良いかというのを見ただけで分かってしまえる。

 まだまだ未熟な俺にとっては、うらやましい限りの地位と言える。


 通勤、ライフスタイル、報酬――


 この話を聞く限りだと、自分も会社員じゃなくてフリーランスをやろうと感じる人も居るだろうけど、残念ながらフリーランスにも欠点は様々にある。


 一つは、収入が安定しないこと。


 フリーランスは正社員と違い、会社との雇用契約を行っていない。

 プロジェクト毎に、このパートを作ってほしいだったり、この期間中だけ参加してほしいといったような取引を会社としているため、一つの仕事に長く携わることがほとんど無い。

 担当した仕事が終われば、また自分で新たな取引先を見つけなくてはいけない。

 声優さんがアニメの収録が終わって、次に新しいオーディションを受けるようなものと同じと考えて良いと思う。

 フリーランスの主流であるIT関連ならば、声優さんよりは仕事の枠は圧倒的に多いけれど、数ヶ月先の仕事や生活が見えないというのは、なかなかにメンタルにくる。


 それに、契約に関しても、突然契約が延長されなくなることもある。

 もしプロジェクト進行中、フリーランスが不要だと判断した場合、すぐさま更新が無くなってしまう。


 多分、契約社員や派遣社員より弱い立場かもしれない。


 先に記載したとおり、フリーランスはスペシャリストである代償として、通常の人材より多くの報酬を請求できるので、そのプロジェクトに居る居ないというのは予算に大きく響いてくる。


 フリーランスは雇用契約をしない。

 社員でないが故に、取引先は身を守ってくれることはないのだ。


 もちろん、契約が打ち切られれば、収入が無くなってしまう。

 契約がゼロ件になってしまえば、もはやニート同然だ。


 そういう最悪の事態とも隣り合わせという恐怖がある。


 しかしながら、もしも自分に『技術がある』『人脈がある』といったアドバンテージがあるならば、仕事を継続して確保できる保証は格段と上昇する。

 様々な場所に仕事を貰いに行くので、自然と人脈や経験は増えていくので、成果さえ出し続けている人ならば、仕事は絶えずやってくる。


 結果的には、実力がある者だけが、フリーランスとして自由に働く権利を得ることが出来るという仕組みなのだ。


 フリーランスは、実力と成果さえあれば、学歴も社歴も要らない。

 そして、人と仕事に恵まれれば、自由な仕事を手に入れることが出来る。


 俺は、そんな仕事の仕方に強く魅力を感じ、社員という立場を捨て、フリーランスに転身した。


 フリーランス「木野きの 光希みつき」として――

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