起
何かが起こるようです。起
少年は知っていた。自分が動かなければ社会は変わらないと。しかしイレギュラーとは唐突に起こるものだ。望まれていなくても起きてしまうものだ。
マサトは無難に過ごしていた。特に何をするわけでもなく。テニス部に入った。成績は中の下だった。
これは、成績発表の日の話だ。
「赤点だー!!」
「タイガ。三冠王おめでとう。」
「そう言われると悪い気はしねぇな…」
「皮肉だよ!」
こいつはよくこの学校に入ってこれたな。
「まあスポ選だから大丈夫だろ。多分。」
うおっエスパーかよ…
「あ。山野。五位かよ!?凄いな…」
「授業を聞いていれば楽勝ね。」
うーん。まあ俺は一夜漬けだから平均以下かよ。次は平均点とっておこう。
「おい…あれ見ろよ。一位の風見さんだぜ。」
「えっ?あんな可愛いのかよ。」
ざわざわ。
あれは数学と現代文の2教科で満点をとってしまった、風見マナミ。まぁ天才だ。高い偏差値の学校に落ちてうちの学校にきたパターン。妬みがあるか?いやないな。あれは尊敬の域だ。なにせ一年生で生徒会長だ。運動は突出してできるわけではない。しかし音痴ではないので、本当に凄い。おっと。こちらに歩いてくる。
「キミ。えっと…そう。タイガ君ね。」
「は、はい。えっと…なんの用かな!?」
残念。俺じゃないみたいだ。てかキョドるな。俺も恥ずかしいわ。
「キミ、赤点3つで他も赤点ギリギリ。」
「あなたの部活の顧問から停部のお知らせよ。残念だけど、補修、がんばってね。」
「嘘だろ!?」
「それとキミ。あとで生徒会室にきて。」
「わかった。因みに何の用?」
「秘密。」
なんだそれ。話しかけられたからよかったものの良い知らせではないようだ。
「嘘だろ!?嘘だろ!?」
あぁ。哀れなりタイガ。
「そういうことで。よろしくね!」
「ぷふふっ。タイガ停部って。スポ選の取り柄ないじゃーん。」
「嘘だろ!?」
「やめてやれユーコ。結構傷が深そうだ。」
ユーコに言いながら俺は生徒会室に向かった。なんか緊張してきた。
ニューキャラ
風見マナミ。
成績優秀容姿端麗生徒会長。