学校
前置きが長すぎる気がしてきました。
この学校は都内であるため決して大きな場所ではない。しかし教室は大きめにとられているところがこの学校のいいところだ。もちろん生徒も多い。教室の扉をあけ無くてもわかるほど声が聞こえる。こうも周りの声が大きいと自分がおかしいのかと疑ってしまう。いや考えても変わらないかな。
やけに立て付けのいい滑らかな扉を開ける。ここで
「おはよう!」
なんて言うのは漫画の中だけだ。覚えておきたまえ。俺。
萩野という名字で運良く一番端の真ん中らへんだからラッキーだ。
キーンコーンカーンコーン。
「あ。もうHRかよ。」
「今日は遅かったのね。」
後ろから声が聞こえる。
「タイガと馬鹿話してたら遅くなったみたいだわ。」
「そう。遅れないようにね。」
この俺の後ろの席の女の子。委員長である山野エマだ。なかなかの容姿の持ち主。クールビューティーってやつか。
おっと。睨まれた。起立、礼。
「今日の一時間目は学年集会です。アリーナに集まるように。」
はいっ起立っ礼。
担任の先生は真面目な先生だ。必要な情報しか言わない。つまらない先生だ。
「施錠するから早く教室でなさーい。」
集団の波に取り残されないように、俺は教室を出た。
山野エマ
クールビューティー。