表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボイス  作者: 春河 琳音
7/15

衝撃なんてもの

「よう、進。何か変化はあったか?」

『何も。いつもと同じだよ』

 今日は診断日。一人で大丈夫だとあれほど言ったのに、朔は心配だからとついてきた。

「じゃあ俺、ここで待ってるからよ」

『わかった』

 朔は待合室に設置されている本棚へ行き、漫画を数冊持って椅子に座った。「心配だから」と言うのは朔の口実であり、本当は涼しい場所でゆっくり漫画を読むのが目的だった。

 目的はどうであれ、一緒に来てくれたことは嬉しかった。一人でいると、智樹のことを考えてしまうから。まっすぐ帰ってしまうと、誰もいないしんとした家が待ち構えているのだから。

――トントン

 ドアをノックし、診察室へ入る。

「進君こんにちは。あれから、何か変化はあった?」

 朔と同じ質問を女医から問いかけられた。

『いえ、おなじです」

 同じ答えを女医に言う。

「そっか。何か、衝撃となるものがあれば変わるかもしれないのだけどね」

『そうですね』

 そう簡単に衝撃などがあるものか。本当はそう伝えたかった。だが書く気にもならず、笑顔で誤魔化した。

――どんなことも隠さずに言える奴って、朔だけなのかな。

(智樹がいてくれたらな……)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ