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暗い夜に踊る  作者: ビシン
クラーマル事件
31/70

第31話 奇襲


────なんか……来たけどこの感じじゃあ報酬はあまり期待できないな


「帰るか……」


クラーマル建設社長の緊急招集にA級122位のガードマンであるハクも参加していた。いや、正確には参加させられていた。


というのも本来は各階級上位100名が招集されたのであり、その番数以下のハクには知らせは届いていなかった。


しかしお嬢様ことミナが、ハクが金がないのを察し、桜に来ていた招集を代わりに行かせたのだ。桜自体は参加する気などさらさらなく、どうせならとのこと。


参加した時に免許証を見せるのだがその時に一応、番外である事を伝えたが、特に追い返されたりはしなかった。非常に助かるとは思っていたが、この状況では来た意味はない可能性大だった。


ハクはベラベラと私語をしているガードマンたちの脇をすり抜けて外に出た。


ふと財布を開いてみるが、ほぼ空だ。


頭を抱える貧乏男。


────あの豚社長は活躍した者にって言ってたよなぁ


ミナとの約束で目立つことは出来るだけしないと決めており、さらに頭を抱えた。


「んー……」


ハクはポケットから携帯型のコートを取り出した。綺麗に折りたたまれたそれはわずか2cmの厚さと掌のサイズでしかない。通常の物より強度は劣るが、変装には便利な物だった。


弾くように広げるとロングコートがピシャリと姿を現した。


彼はさらに繋ぎ服より仮面を取り出して顔面に装着した。白いベースに目の下に黒いラインの入った簡素なものだ。


繋ぎ服を脱ぎ、コートを羽織る。そして繋ぎ服は適当な茂みに隠した。後から回収しなければならない。


────見てるだけでも参加費みたいな感じで少しもらえる……か?


彼はそうであって欲しいと思いながら辺りを見渡した。


屋敷外に出ようと思ったのだが、反対方向の庭に出てしまったらしく芝生が広がっている。


ハクは屋敷の外壁を見上げ、攀じ登れそうな窓を探した。


外壁の2階に位置するだろう高さに等間隔に2つずつ細長い窓が並んでいる。


ハクは壁の窪みに足をかけるよう蹴って登った。


上手く窓の桟に体を乗せ、中を確認すると丁度様子が確認できるところだった。


────様子をみるか……







深夜の1時────


ガードマンたちはなかなか現れない敵に気が緩みかけていた。欠伸をする者までいる程に。


だがそれは突然起こる。


上の窓からガラスを砕く音がしたかと思えば、何かが落ちて来た。丁度そこにはガードマンが1人おり、ドスリという音とともに倒れ臥す。


「おいおい……」


倒れているガードマンから両腕を引き抜くと血に濡れた刃が姿を見せた。そのガードマンはピクリとも動かない。


「ひぃふぅみぃ────なかなか居るな」


一瞬にして静まり返る屋敷内。突然の事にランクの低い者たちは動けなかった。


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