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暗い夜に踊る  作者: ビシン
住人たち
26/70

第26話 7人

管理人として掃除は仕事の日課である。


曲線の続く廊下で集めたゴミを塵取りでとっていると、ハクの目の前にタバコの吸い殻が落ちてきた。


「あ、ごっめーん。僕としたことがタバコ落としちゃった☆───────────きちんと拾えよ?」


「……お前印象最悪だぞ?」


ハクは目の前に立って見下ろす新居者のネコを睨んだ。


「はん!ずっと無愛想な顔つきのやつに言われたくないね!」


鼻で笑い飛ばすネコ。


彼は結局このアパートに住むことになり、荷物も少量であるが運んできて早数日が経った。まだ慣れてはいないようだが、相変わらずの猫被りぶりは変わらず。


あまり相手をしていても時間の無駄なので、管理人はゴミを集め終わると道具を片付け始めた。


「……ところでよ」


「なんだ?メイドなら今いないぞ」


「あ、そうなの?……じゃねーよ!他の住人たちはいねーのかよ!」


見越したようなハクの言葉に猫が叫んだ。


「ぱっと見てきたが人の気配がなくないか?他の住人たちはいるのか」


「まあ、えーと……ここに住んでるのはお前と俺たち入れて……7人か?」


その数を聞いてネコの顔が驚きに変わる。


「少な!よく生活もつな!」


────金に困ってるわけじゃないからな、ここは


ミナたちの生い立ちなどはまだ聞いていないが、お金持ちなのは丸分かりだった。ただハク自身にはそこまで収入があるわけではないからボディーガードや管理人をしているのだ。


それだって足りない日も時たまある。


彼は凝った肩を揉みほぐしながら立ち上がった。


「ていうかなんだ?聞いてどうする?」


「あん?そりゃお前、タカる……じゃない、挨拶に決まってんだろ?」


ネコのマスクがグニャリと腹黒く笑う。


「……」


「いいから案内しろよ!」


場所教えるから行けよと思ったが、彼は口には出さず、道具を持つと黙って歩き始めた。


慌ててネコが付いてくる。


「ちょっ、聞いてんのか?」


ハクは立ち止まって振り返った。


「お前そういうのマメなんだな」



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