第22話 黄色い顔2
「桜!」
物陰に身を潜めていた主人のミナが飛び出し、侍女の前に蠢く物体に躍り出た。
数時間前から張り込み、息を殺して備えていたのだ。
捕まえようと手を伸ばす。しかし黄色い顔は素早く退き、闇に隠れた。
「ハク!」
同じく別の場所で隠れていた男が不意に姿を現し、目にも留まらぬ速さで腕を動かして顔を掴み地面に叩きつけた。
「ぐえ!」
鈍い音がしたと思えばそう悲鳴が聞こえた。
「待て」
ミナが、手の内に隠すナイフを突き立てようとした男に待ったをかける。
ハクは手を止めて一歩退いた。ミナが側に来るが、いつでも応戦できるよう目を光らせている。
ミナは持っていたペンライトを寝そべってグッタリしている者に当てた。
「これは……人、か?」
それは猫の被り物?をした人間だった。サイズも先程と違いハクと同じぐらい、170cmくらいだろうか。ジーンズに長袖のTシャツを着、デニムのベストを羽織っている。
────先程は猫か何かかと思ったが……
「痛ってぇぇ……」
少しして意識が戻ったのか、猫の人物は目を覚ました。自分を覗き込む人間を見てヒッと声を上げる。
「……まあ、何だ、明るいところに行くか」
ミナはハクに猫の人物を応接室に連れて来るようにいい、固まったまま動かない桜の肩を叩いた。
「すまんな、囮のような真似をさせて…………?桜?」
侍女は白目を剥き、立ったまま気絶していた。




