16話
「おうい、氷室さん。調子はどうだい? 調子といっても昨夜の反響だけど」
翌日の出社直後、久しぶりに快眠できた七緒が眠気を殺す欠伸をしていると、再び事務所を訪ねた財前にそう声を掛けられた。デスクでノートパソコンを叩いていた七緒は背筋を伸ばす。
そして財前の顔を見ると、彼は答えなど知っているかのようにニヤニヤと笑っている。
やれやれ、と苦笑を返した後、氷室は腕を組んでノートパソコンを眺めた。
「――約一か月後と見込んでいた、炎上の小康状態。現時点でそれを越えています。胡桃沢さん本人の精神状態も、アレ以降は吹っ切れた様子で心配は無いかと。寧ろ、肯定的な話題性に目を付けた場所からお仕事の依頼が今朝の時点で届いていて、困っています」
「君が困るほど多いのかい?」
「事務所の外の人間を招いてくれと言うもので」
「……みづほちゃんか」
察した財前が可笑しそうにするので、七緒も笑顔で目頭を押さえて嘆息する。
「――炎上の本質を見誤っていましたね。いえ、正確には掘り下げが足りていなかった。私達は胡桃沢さんの発言が彼女のアンチと甘党さんのファンを怒らせていると解釈しましたが、浅かったんです。何に怒っていたかという、初歩的な疑問を抱けていませんでした」
七緒と同じような分析をしていたのか、財前は唇を濡らして言葉を引き継ぐ。
「正しいと思い込んでいる自分の主張が大勢に届かないのはストレスだからね。今回については、大勢が正しいと思っていた『甘党あずき』の人柄を誤解されたままであることに――正確には、誤解をしっかりと解いてもらえないままだったことに不満が続いていた。それを、彼女がハッキリと否定した。そして、同時に表で胡桃沢さんへの叱責も済ませた。いやぁ……あれが苦し紛れではなく計算の末だとしたら、中々大した子だね」
腕組みしてしみじみと語る財前に、七緒は少しだけ思考を遡る。
出会いは胡桃沢の炎上事件からだったが、それから話す機会は多かった。今回の和解配信の打ち合わせなどは二人ですることも多く、彼女の人柄はよく分かっているつもりだ。
「計算ですよ。彼女の天職は配信者です」
言葉の力を知っていて、その力を正しい軸に基づく使い方ができる人だ。
七緒がそう評すると、財前の目がすっと細められる。どうしたのかと七緒が首を傾げると、「またウチの子が燃えたら彼女に頼むか」と犬歯を覗かせるので「駄目に決まってるでしょう」と七緒は社長相手でも厭わずに窘める。――実際、七緒の目から見て相応の能力を持っているとは思うが、今回の大成功の裏には、紅音が水鳥をよく知っていたからという前提がある。
「二度目はありません。――だから、伝説なんです」
さて、エスポワールの事務所でそんなやり取りがあってから、翌々日の土曜日。十二時。
アマミヤ荘の四階角部屋では、いつも通りの日常を取り戻した紅音と水鳥が向かい合わせでお昼ご飯を食べていた。今日の献立はデミグラスソースをかけたオムライスであり、紅音の好物だ。昨日、一昨日と朝昼晩で何故だから紅音の好物ばかりが出てくるので、ここ最近、紅音は食事の時間が楽しみで仕方が無い。今日も、満面の笑みでスプーンを刺し続けている。
「しかし――やっと落ち着いてきた感じがあるね」
対面で中華スープを一口呷った水鳥が、そんな風に切り出す。
胡桃沢炎上事件についてだろう。紅音もスープを一口飲んでから、思わず溜息を吐く。
「世間の騒々しさも、私のチャンネル登録者の伸びも落ち着いてきたからね」
「凄かったね、反響。この数日で何人増えた?」
「八万人かな? まあ、一時の好奇心のようなもので、定着してくれる人がどれだけ居るかは分からないけどね! それに、月末には恒例の脳破壊イベントが待ってるから」
一定数は自分の美貌に釣られて登録した者も居るだろうと客観的に認識しているので、邪悪な紅音は今からその手合いを振り落とすタイミングが楽しみで仕方が無い。
「さておき、流石にもう炎上騒動は懲り懲りだよ。私も大概疲れた」
紅音は食事中だというのに、思わず天井を仰いで溜息を吐いてしまう。
「お疲れ様。本当にありがとね、君に最初から最後まで助けられた」
水鳥は相変わらずの無表情で、しかし、ハッキリと分かる感謝の意と共にそう告げる。
思い返すと、胡桃沢が暴露をしてからは水鳥を気遣い続け、いざ水鳥が和解配信を提案した後は、仲介役として奔走することになり、当日は必死に頭を動かして起死回生の一手を模索した。我ながら、よく頑張ったものだと褒めてやりたい気分になる。が、
「まあ、君が困ってるならこれくらいはするよ。友達だもの!」
紅音が微笑んで言うと、水鳥は口を噤んでジッと紅音を見詰めた。
流石に何を考えているのか分からない紅音は真意を探るようにジッと見詰め返す。すると、照れたのか、何を思ったのか、ふいと水鳥は目を逸らす。「どしたん?」と紅音が尋ねると、「何でもないよ」と水鳥はいつも通りに淡々と答えるだけだった。
さて、そうこうしている内に十四時を迎えたので、二人はリビングのテーブルにノートパソコンを置いて、その前に二人で座る。そして、オンライン会議に参加した。
土曜日だというのに二人をオンライン会議に招いたのは、他でもない。
今回、紅音に並んで、或いはそれ以上に苦労しただろう氷室七緒だ。そして、参加者は胡桃沢クルミと、厳しいボーナス減額を食らった男性マネージャー。合わせて五名での会議だった。
二人が会議に参加すると、既に三人は入室していた。
七緒と胡桃沢のマネージャーは会社の会議室だろうか、フォーマル寄りの格好で、無機質かつ白い壁を背にして背筋を伸ばしている。そして、もう一人は『絵馬優菜』というアカウント名で参加している。こちらが胡桃沢クルミだろう。だろう、というのは当然ながらイラストとは全く容姿が異なるため。配信上の彼女は銀髪の天使のイラストだが、本物は――所謂、地雷系というやつだろうか。黒髪ツインテールに典型的な地雷系ファッションをして、メイクは血色を意図的に抑えるようなものに加え、目元をダークカラーで強調している。
イラストとはまるで雰囲気が違う反面、今までの彼女の言葉と完全に解釈が一致する容姿に、紅音は大量の言葉を呑み込むのに必死だった。
――と、「お二人とも、お疲れ様です」と七緒が会釈をするので、
「お疲れ様です、甘党です」
「あ、お疲れ様です! みづほでーす」
二人でそう挨拶を返す。そして、それに続いて「秋元です」と胡桃沢のマネージャーが沈痛な顔で頭を下げ、頭を下げたまま粛々と謝罪の旨を語り出す。自己批判にまで発展しそうになった謝罪を「それくらいに」と七緒が窘めると、最後に胡桃沢の番。
「今回は本当にお世話になりました! あの、く、胡桃沢です!」
胡桃沢――もとい、絵馬の挨拶に紅音と水鳥は少し砕けた挨拶を返した。
さて、簡単な挨拶も済んだところで、主催の七緒が場を仕切る。
「本日ですが、えー、ようやく胡桃沢さんの炎上も落ち着き始めまして。ご本人もこれから活動を再開していきたいと、そして事務所側もそれを応援したいということで、一つの区切りとして簡単なものではありますが、慰労会のようなものを企画させていただきました。とはいえ、何か決まったプログラムがある訳ではなく、改めてお礼や謝罪をしたいということであれば、当事者から甘党さんとみづほさんにお伝えいただいて、終わらせようかなと考えています」
そう言うや否や、秋元が厳かに頭を下げて弱々しい謝罪を繰り返す。
二人で困りながらそれを励ましていると、七緒が程々に切り上げさせてくれる。
そして、少し間を置いてから絵馬が身体を乗り出しながら言った。
「あの、まずは――甘党ちゃん。本当に、今回はありがとうございました」
深くお辞儀をする絵馬に、水鳥は「いえ」と拒むように手をクロスした。
「私は私が正しいと思うことをしただけです。ある意味、自分の為でもありますから」
「だとしても、私は君に酷いことを言っちゃった。でも、君が助けてくれた。お礼を言わせてほしいの。本当に、本当にありがとね。それと……その、」
そこで絵馬が泣きそうな顔で言葉を選ぶので、水鳥は淡々と言葉を引き継いだ。
「はい、これからもよろしくお願いします」
エスポワールのナンバーワン、そしてナンバーツーとして。
水鳥がそう伝えると、それが彼女の言いたかったことなのだろう。絵馬は救われたような笑みを浮かべて口を噤むと、「よろしくね」と照れくさそうに繰り返した。
そして、絵馬の瞳が画面上を少しだけ滑って、水鳥の横の紅音を見る。
「それと、みづほさんも。本当にありがとうございました」
「お気になさらないでください。寧ろ、配信上であんな言い方をしてすみません」
間違いなく本心ではあるものの、言って良いことと悪いことがある。メンタルを擦り減らしているタイミングでのあの追い打ちが、紅音としては必要不可欠だったという認識はあれども、手放しに感謝されるのは気が引ける。だが、絵馬は首を左右に振った。
「いえ、お陰様で、心のどこかにあった甘えが拭えたような気がします。それに――元々みづほさん達に立ててもらった筋書きを、テンパって台無しにしちゃったので。自業自得です」
「それは――まあ、本当にそうかもしれません! あの時、相当焦りましたからね⁉」
少し冗談めかして言うと、今だから笑えることとして、各々の笑い声が会議に響く。
水鳥も、その楽しさを共有するようにテーブルの下で紅音の親指を繋ぐ。だから、紅音も親指に少し力を入れて、二人だけでその楽しさを共有し合った。
それからふと、「ところで」と絵馬が胸元に五指を合わせる。
「その、プライベートな話になるんですけど……だ、大丈夫ですか?」
ほんのりと絵馬の頬が紅潮して、その瞳は何故だか潤んでいた。表情が甘ったるい。
何の話だろうかと身構えつつも、それを顔には出さずに紅音は微笑んで先を促す。
「もちろん! どうされましたか?」
「あの……その、答えにくかったら全然、無視してほしいんですけど――ちょっと、みづほさんの配信を観まして。恋人さんと同居していると聞きまして。それで、その、甘党ちゃんとルームシェア的なことをしていると思うのですが……」
要領を得ない言葉をしどろもどろに語った後、絵馬はこう質問をまとめた。
「甘党ちゃんと、付き合ってるんですか?」
紅音は思わず目を丸くして水鳥を見詰める。水鳥は真顔を紅音に返す。
テーブルの下で繋いだ親指が仄かに汗ばみ、強張った。
交際という言葉の意味は流石に分かる。この場においては、恋愛関係にある二人がお互いの意思確認を済ませた上で一緒に居ることを誓い合っているか否かということだ。当然、紅音と水鳥はそんな関係ではない。それを言葉にするだけで、この質問は終わりだ。
お互いにそれを理解しているはずなのに、数秒の間、どちらも口を開けなかった。
その質問に答えた時点で、或いは質問が来た時点で、かもしれないが、二人はお互いの関係を直視することになる。当然、その答えはルームメイトだ。配信者ということで雨宮雪子の管理する物件に招待され、二人で暮らし、いつの間にか食事を作ってもらう仲になり、一緒にデートに行って、気持ちを汲み取る為に二人だけの秘密のサインを作って、片方が傷付けば一緒に苦しみ、片方の願いを聞いたら、もう片方はその為に身を粉にして。
そんな関係を、ルームメイトという言葉でまとめてしまうことになる。
そうして返答に躊躇っていると、察した七緒が「その質問は――」と制止しようとするも、それを遮るようにして水鳥が口を開く。彼女は、紅音の親指を強く繋いで言った。
「……違います。紅音と私は恋人じゃありません」
少しの、落胆。友愛とは別の感情を抱いてしまっているのは自分だけだという気付きに、紅音は身体の力が抜けてしまうような感覚を味わう。
けれども紅音は、笑って今の沈黙を誤魔化した。
「あの、実は――あんまり表では言ってほしくないんですけど、私の恋人云々って嘘なんです。ほら、顔出しで配信をしてるじゃないですか。だからリスクヘッジ的に、色恋でのトラブルを避けるための魔除けの呪文的な感じで。実際はフリーです、ドフリー!」
言っていてなんだか泣きそうになりながら紅音が笑っていると、対照的に絵馬は心から嬉しそうに顔色を明るくさせて、「そうなんですか⁉」と声を裏返した。そんなに驚くようなことだろうかと紅音が首を捻っていると、彼女は仄かだった頬の紅潮を色濃くさせる。
「じゃあ、あ、あの、えっと……! じょ、女性同士って、どう思いますか?」
一瞬、質問の意味が分からずに紅音は「へ?」と疑問を口にする。
意図ではなく、意味が分からなかった。あまりにも突拍子が無かったから。
しかし、紅音の親指と繋がる水鳥の親指に、隠しきれない緊張が走って、それを引き金に、紅音は徐々にその質問の意味と意図を理解する。
マネージャーの秋元は酷く狼狽えていた。七緒も流石に目を泳がせている。
「もしよければなんですけど、今回のことで、個人的なお礼とかもしたいなって」
これは、つまり、そういうことなのだろう。流石の紅音もすぐに理解できた。
自慢ではないが――紅音はとても容姿が良い。そしてこれは本当に自慢ではないのだが、モテる。とてもモテる。男子は当然として、女子にモテることも多い。小学校では友人だと思っていた女子に言い寄られたことが二回、見ず知らずの男子からは三回。中学校では告白は二回程度だが、それとなく距離を近付けようとしてきた者は更にもう何名か見てきた。
――だから分かる。絵馬優菜は私に惚れている!
何故だ、という困惑の自問に、先日の和解配信で何やら気に入られたのだろうと納得しておく。だが、事情と本心が分かったところで、どう答えるべきかは悩ましい。
正直なところ、絵馬――正確には胡桃沢に対する嫌悪感は当初に比べると、とても色褪せている。最初は水鳥に対して随分なことを言ってくれたなという怒りはあったが、彼女が単なる考えなしだと分かった時点で怒りは褪せ、諸々の事件で憐憫が勝っているのが本音だ。しかし、彼女には嫌いであると伝えているのだから、その上で好意を寄せてくるなど相当な物好きである。――正直、彼女に対して恋愛的な好意など無いが、しかし、薄っすらと意識をしていた水鳥から友愛の感情を突き付けられた今、未練を断ち切る切っ掛けが欲しい気もする。
それが絵馬に対して不誠実であることは承知で、だからこそ、まずは食事でもしてみようか?
そんなにすぐ気持ちを切り替えることはできないが、大切な友人と思ってくれている相手に、邪な感情を向けてしまわないためにも――と、紅音は視線を泳がせて悩む。
その時。するり、と、繋がっていた水鳥の親指が、紅音の指を離した。
途端に全神経をそこに集中させた紅音は、それを『私は気にしないで』とでも言いたいのだと解釈し、思わず泣きたくなって笑いそうになる。その、直後。
水鳥の震える手が、紅音の手を力強く握り締めた。
指ではなく、手を。テーブルの下で固く繋ぐ。水鳥の手は、熱く強張っていた。
――どう言語化していいか分からない感情があったら、その時は指じゃなくて手を握って。
あの焼き肉屋で伝えた言葉を思い出して、紅音は耳の裏に焼けるような熱を感じた。
顔に出ないように努めたが、それでも少し、目は開いて瞳は揺れた。パソコンのカメラ越しでは伝わっていないことを祈ろう。
お互いに顔を見ることはできない。他の面々に何かを邪推されてしまうから。
だから、紅音はほんのりと汗ばむ水鳥の手を握り返す。
二度と離れないでと伝えるように、固く、固く握り返した。すると、それに呼応するように、水鳥の手にも段々と力が込められていき、その手はもう、離れそうもなかった。
「やー、ごめんなさい! 交際相手は居ないんですけど、実は片思いしている相手は居て! お気持ちはとっても嬉しいのですが、今だけはその人に集中させてもらえると!」
迷いを吹っ切った紅音は、空いた手を振りながら絵馬の申し出を断る。
すると、彼女は「あっ」とその顔を泣きそうに歪めた後、気にしていないと大袈裟に笑って言った。――ごめん。本当にごめん、と、胸の内で繰り返すしかなかった。
七緒と秋元は気まずそうに画面外へ視線を向けるばかりであった。
それから、「それでは、この辺りでお開きにしましょうか」という七緒の音頭によって簡易的な慰労会は幕を下ろし、水鳥がオンライン会議を退出すると、部屋に静寂が下りる。
数秒、手を握り合ったまま、退出した旨の文言が表示されるブラウザを二人で眺める。
必然、紅音の思考を埋め尽くすのは、握り締められたこの手の意味。どんな感情を汲み取ればいいのか、期待をしてもいいのか。しかし、紅音がそう尋ねるよりも早く、徐にこちらを向いて座り直した水鳥は、空いた手を繋いだ手に添えて、感情の読めない顔で紅音を見詰めた。
「――今日、この後って暇? 一緒に行きたい場所があるの」
傾き始めた昼下がりの陽射しに、琥珀色の瞳が煌めいていた。
慰労会を終えた後、七緒は会議室で大きく身体を伸ばして溜息を吐く。
これで、今度こそ胡桃沢炎上事件のゴタゴタも一区切りといったところだろうか。別室で参加していた秋元にも後ほど改めて労いの意を伝えておこうか、と、カレンダーに自分だけが分かるような簡単なメモを取っていると、不意にポケットのスマホが震動する。電話だ。
「珍しい」
言いながら液晶を見ると、発信者は水鳥の後見人でもある雨宮雪子だ。
普段は軽口で口説いてくる印象が強い彼女だが、社会人としての礼節の類は弁えている節がある。それでも一発目から電話という手段を選んだということは、何だか込み入った事情があるのかもしれない、と、七緒は丁度いいので会議室の利用時間を延長して着信に応じた。
「もしもし、雪子? どうしたの?」
「や、久しぶり。急に電話してごめんね」
思いのほか、雪子の声色は明るかった。
そこまで深刻ではないのかもしれないが、本題が気になるので先を促す。
「別に。貴女のことだから下らない話じゃないでしょ。それで用件は?」
少し事務的過ぎたかと、雪子が少し言葉選びを反省していると、二の句が来るまでには少し時間がかかった。やがて、雪子は重い口を開けて語り出す。否、呟いた。
「――――――」
彼女の語った言葉は極めて単純で、短いものだった。
しかし、緩みきっていた七緒の表情を険しくさせるには、充分な威力を秘めていた。
「ごめんなさい。もう一回、言ってもらえる?」
そう返す七緒の表情からは、血の気が失せていた。




