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3、呂布+源義経+美少年フェイス+少しの優しさと善性=スカイ

「もう、さっきから無駄に気取った回答を……! 童貞のくせに!」


 照れ隠しとばかりに、顔を真っ赤にして叫ぶレベッカ。


「ど、童貞ちゃうわ!」


 図星を付かれ、思わず声を出す。


「隊長は童貞だよ。ヤンデレの目をごまかせると思ってるの? こちとら24時間監視してるんだよ!」


 にやりと笑みを浮かべるアリス。


「いやこえーよ。そっちの方がどういう事だよ!」


「隊長、レベッカもアリスも抱かれると絶対面倒な女になるタイプなので、気を付けてくださいね……いろいろと。多分2人とも頼まれもしないのに一生ついてきます、否、つきまとってきますよ……?」


「重いよ!? そして抱かないよ!? レベッカとはただの幼馴染だし、アリスはなんか勝手に僕のファンクラブ作ってるちょっとヤバい女友達よ?!」


 本当にいつの間にか出来ていた僕の非公式ファンクラブ。現在の所属はアリスとエレナ、それからフローラ先輩、マルタ先輩、他多数……うーん、変な子しかいない。


「話を戻すと……可愛い顔に皆騙されるけど、この人ぶっちゃけ中身は呂布と源義経のキメラなんですよ!」


「呂布と義経!?  いやそれ、最悪の合成獣じゃん!」


 頭を抱えるレベッカ。こう見えて彼女は割と学がある。


「いいじゃん、強くて有名な人たちじゃん。お得セットだよ?」


「そーだそーだ。隊長は強くてかっこいいんだ!」


「いや、隊長、アリスそこじゃないの。カリスマと統率はぶっ壊れてるくせに、人の心が致命的に欠けてるって話ですよ。あと、空気読めなすぎて現代社会じゃ完全に危険人物ですよ」


 エリザベスは人をまるで猛獣みたいに言う。スカイは結構傷ついた。


「……でも、確かにスカイくんって本人のスペックに対して、情緒が追いついてない感じあるよね。15の子供のくせに人助けする時も戦術レベル高いし。まぁプラスに働いているから良いけど。だからこそ、私の次の生徒会長に推薦したんだけど」


 セラフィーナがうんうん、と頷いた。


「うーん、善意で動いてるんだけどなぁ。皆のためを思ってるつもりなんだけどなぁ」


「その『つもり』で世界を地獄に変えるタイプだって言ってるんですよ。で、さっきのトロッコ問題の話と組み合わせると……この人が権力握ったらどうなると思う?」


 少しドスの効いた声を出すエリザベス。レベッカも少し怖がった様に僕を見る。


「……え、まさか」


「全員は救えない。だったら、有能と自分に近しい奴から助けよう。で、都合悪い奴は使い潰す。当然だよね、って顔して言うよこの人」


「うわぁああ……」


 本気でドン引きするレベッカ。


「……いや、一番信頼している幼馴染にそんなに引かれるとちょっとショックなんだけど!? それに、何その前提から悪意のある導き方!? 僕、そんな鬼じゃないからね! ね!?」


「本人が自覚してない分、タチが悪いのよ。私がいなきゃ冗談抜きでこの学校、地獄絵図になってる。断言する」


 紙パックの紅茶をストローで吸いつつ、エリザベスはあっさりと言った。


「アタシはあんたが内心でそう思ってても好きだよ、隊長!! 抱いて!!」


「アリス、ちょっと黙ってて。……まったく、この全肯定イエスウーマンは隊長には危険すぎる……」


「エリザベス、君さ……僕のこと嫌いなの?」


 スカイは少しショックを受けて、猫なで声を出した。


「違います。むしろ好きですよ。なんなら顔はどストライクな部類に入ります。好きだから教育的指導(・・・・・)してるのよ。じゃなきゃ、遠回しに「あなたには王の器がない」なんて言わないわ」


「つら……っ!」


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