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第6話

   

「タカシさん! こうなったら、もう誰でもいいから適当にナンパしてください!」

「おいおい、そんな無茶……」

 この頃タブラ・マルギナータは「パンがないならケーキを」的な計画を口にするようになってきた。「魔法少女の候補と出会えないならば、魔法少女の候補を作り出しましょう」という作戦だ。

 俺がこの世界で魔法と一番波長が合う人間である以上、その娘も遺伝的に波長が合うはず、という理屈らしい。

 最初にそれを聞かされた時、

「いやいや、それじゃ間に合わないだろ? タブラ・マルギナータの国、現在進行形でピンチなんだろ?」

 と聞き返したが……。

「その点は大丈夫です。あちらとこちらでは、時間の流れが違いますからね。この世界の十年も、私の国ではほんの一瞬。タカシさんの子供が成長するくらいまで、十分待てますよ!」

 タブラ・マルギナータは、誇らしげに説明していた。

 いやいや、そんな世界に大事な娘を送り込みたくはない!

 というよりも、そもそも俺に『娘』なんて作れるような甲斐性があるのだろうか?

 なんだかんだいって、このまま俺は、ずっと独り身のような気がするのだが……。


 そんな内心はタブラ・マルギナータに伝えぬまま、

「おやすみ、アル子」

「おやすみなさい、タカシさん。……って、私はタブラ・マルギナータです! アル子じゃない、って何度も言いましたよね?」

 俺は額縁と絵に挨拶しながら、今日もベッドに入るのだった。




(「囁く額縁」完)

   

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